✾ 夢 (ページ13)

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十三ページ13

でも、意外にも彼の方は、そういうことについてあまり躊躇いはない、というような様子だったように思います。最初に話した時から軽く月日が経ち……夕暮れ時には肌寒く感じるようになってきた頃ですかね。……と言っても、私寒いのが苦手でして、かなり早い段階でも寒いと言ってしまうようなのですけど……。私達はその日、放課後に二人残って勉強をしていたのです。晧壱が心底申し訳なさそうな表情をして、勉強を教えてほしいと頼み込んできたので……此方も別に断る理由も無いので、勉強を教えました。……勉強を教えている間、考えていたこともありまして。誰にでも苦手な科目がある事は分かるのです。私にも一応存在していますから。しかし、晧壱にとって、それが国語であることは意外……というより、何故なのか、という疑問の方が強くて。数学のようなものならまだ教えやすいのですが……兎にも角にも、骨が折れた覚えがあります。閑話休題。……最初からこの言葉を使っておけば良かったかも知れませんね。私の話では閑話が多すぎますが。それはさておき。
　暫くそうしていた時に、晧壱は突然、突然です。私のことについて、何か隠し事でもあるのでは、という風な問いを投げてきたのです。……それは本当に急なことでしたので、一先ずは何故そんなことを、と笑って返しました。ただ、直後にはその問いの意味を考えて、内心で凍りつきました。私から見た時に隠し事になりそうなこと、周囲から見た時に隠し事になるようなことなど、限られたものではありませんか。そうとなるとどうしても、晧壱の言葉の先を聞きたい気にはなりませんでしたが、どういうわけか、私はそんなことを言って遮る気にもなれず、晧壱の言葉を聞きました。

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