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私は、裕福な家の生れだったと思います。
 ……嗚呼、ええと、先に言わせていただきます。私がこれから話す事は全て、あくまで私がそう思った、という物事です。思っただけのことです。私は、物事について確信を得るという感覚を、さっぱり失っています。そしてそれがいつの間にか失われていたものなのか、誰かに奪われたものなのか、そもそも最初から存在し得なかったのか、最早それすらも、私は知る術を持ちません。この事については、私は気に留めることもできません。今話すことで(ようや)く思い出したくらいです。……否、しかし、いちいち『思います』と語尾に付けられるというのは、聞いていてどうも(いや)なわざとらしさが在るでしょう。極力抑えるようにしますね。……話が逸れてしまいました。ええと……。
 嗚呼、そうだ。要するに私は、良い家のお坊ちゃんだったわけなのです。自分でこんな言い方をするというのも変な話ですね。その点もあまり考えてほしくはないのです。

 ……私には家族が居ました。本当はこれに関しても居たはず、というような言い方をしたいのですが、ここはどうも()ぎるものがありまして。構成としては、父、母、兄……そして私。……居たことは覚えているようですが、記憶の中での顔は見えません。

 ()ず、父は、一言で厳格な御人でした。顔は見えずとも憶えています。今の私を作ったのはあの御方です。誰に対しても同じくらい厳しい人で、本当に良くも悪くも境が無いのです。私もあの御方には、お作法についても習い事についても勉学についても、よく学ばされた。……特に自慢事ではなく、真偽も分からないことなのですが、私はその辺り兄より出来が良かったらしいのです。兄も人並み以上ができる人ではあるのですが、より出来がいいのは私の方だったようで。まぁ、何が言いたいのかといえば、本当にただのそれだけの話です。……すみません、私、話を逸らしてしまう事が多いですね。そういう事が上手いのかも。…………嗚呼厭です。一寸(ちょっと)ばかしおどけてみただけですよ。『それはむしろ話下手』だなどと本当の事を言うのはよしてください。これでも一所懸命に話しているつもりなので……ええと、何処まで話したか……それも直ぐ忘れてしまいますが……。嗚呼そうです、父の話です。
 

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作者名:蟻蟀 | 作成日時:2022年10月21日 15時

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