出会いの世界 ※書き直し ページ2
太宰side
彼女に出会ったのは私がまだポートマフィアの幹部になってすぐのことだ
貧民街に逃げ込んだスパイを捜している途中だった
黒服達の怒号が響き渡る
黒「あっちに行ったぞ!」
黒「追いかけろ!」
ついに追い詰めたはずだった
スパイの男が逃げ込んだ先は行き止まり
もう逃げ場はなかった
黒「だ、太宰幹部.....これは如何いたしましょう....」
私たちの目の前には生気を失った男が横たわっていた
太「一体誰の仕業だい、スパイは生け捕りのはずだが....」
私の問いに黒服達が怯えたがある一点に視線が注がれた
その方向へ目をやると....
『......』
黒服達に取り押さえられている少女がいた
太「....は?この子がこれをやったのかい?」
黒「は、はい.....。我々が追いついた時には既に死んでいました。そこにこの子供が....」
私は静かにその少女に近寄り顔を見た
薄汚れていてその目に光などない
永遠の闇のようにどこまでも暗い瞳
太「君がこれをやったのかい」
『.....わたしが....ころ...した』
微かに聞こえる声でそう答える
目は変わらずに地面に向いていた
太「へぇ.....君面白いね。うーん、そうだ!」
私は自らしゃがみこみ地を見続ける瞳に自らの瞳を合わせた
太「君、マフィアにこないかい?」
黒「「「「「は.....!?」」」」」
太「何」
黒「このような素性の知れない孤児をマフィアにですか...?」
太「君には聞いてないよ。私はこの子に聞いているんだ」
周りの黒服達は皆口々になにを考えているだのと言った
大の男を素手でたった一人で殺してみせたこの少女
到底只者とは思えない
きっと育てればとんでもない才能を発揮するだろう
『まふぃ....あ?』
太「嗚呼、そうだ。もちろん無理にとは言わない。君の好きにするといいよ」
するとあっていなかった視線が合わさった
『ぃき....たい.......いきたい』
太「ふふ、じゃあ決まりだね。車出して」
私より少しばかり小さい少女の手を取り抱き上げた
そこに重さなどなく、生きているかを疑うほどに軽かった
太「さぁ、行こうか」
そして黒塗りの車に乗り込みポートマフィアの本部へと向かう
車の中での少女は変わっていく外の景色をただただ見つめていた
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真竜(プロフ) - 続きが気になります! (2019年2月21日 14時) (レス) id: 2c8043fe3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリストレス | 作成日時:2019年2月21日 0時