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深澤side
病院に行った翌日。
朝起きてから相変わらず体がだるかった。
体のふわふわした感じと熱っぽさを感じて体温を測れば体温計に38.3度と表示された。
これは休まなきゃと感じた。
行ったところでお客さんにも照にも迷惑がかかることは分かっていた。
だけど、俺の店は慣性に動かされているかのように身支度を整えて、照の店に向かった。
歩くとすぐに息が切れるから、いつもより早い時間に出て、ゆっくりゆっくり歩いた。
それでも息が上がって、必死に抑えて。
店に入る時は平然を決め込んだ。
照「おはよ……、顔色すげぇ悪いけど。」
深澤「わかってるよ……、間違えて来ちゃったよ……ハハ」
乾いた笑いでどうにか誤魔化そうとするけど、平然としたフリは呆気なく見破られる。
照「ふっか…、体調悪いんだろ。」
深澤「いやぁ、ね。バレましたか。」
照「その見た目からして誰もが思うよ。」
深澤「ハハ……」
照「ふっか!?」
立ってるのすらしんどくて、俺は入り口で座り込んでしまった。
照「病院行こう、店は臨時休業にするから。」
深澤「それはやめてくれ。俺のせいで店休むとか、シャレにならねぇ。」
照「でも」
深澤「病院には行くから。」
照は押し黙って、俺の顔を見てから「分かった」と小さく呟いた。
照「店はやるよ。でも、ふっかは休んでて。」
そう言って俺に肩を貸してくれた。
俺は照に支えてもらってどうにか立ち上がると、店の2階、照の居住スペースまで上がった。
2階まで行く頃には、俺だけ息がゼーゼーと切れていた。
照「ちゃんと休んでよ」
俺をベッドまで運ぶと、釘を刺すように言った。
深澤「分かった分かった、ありがとう」
そう言ってベッドに寝転ぶ俺を見て、照は後ろ髪引かれるように出て行った。
俺は天井を見上げて、フーッと息を吐いた。
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白林檎(プロフ) - にこさん» にこさん、初めまして。前作をお読みいただきありがとうございます。久しぶりの投稿なので少し緊張していますが、これからもよろしくお願いします! (2月15日 16時) (レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 初めまして。完結されてだいぶ経ってから前作に出会ったのですが、兄弟思いな蓮くんが懸命に病気と闘う様子に胸を打たれ、大好きなお話になりました。白林檎さんの新作が読めるということでとても楽しみです! (2月13日 11時) (レス) @page3 id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白林檎 | 作成日時:2024年2月8日 1時