懐かしさと憂い ページ5
深澤side
働いていた病院に来るのは超がつくほど久々だった。
この前近くのかかりつけ医に診てもらったら、「検査の結果が良くないので、大きい病院で診てもらってください」と言われ、ここに来るしかなかった。
当時とあまり変わりがなくて、少しだけ懐かしい気持ちに浸る。
目的の科に行って、待合室でボーッと待つ。
周りにも患者さんはたくさんいて、駆け回ってた研修医時代を思い出す。
あの頃は、とにかく目の前の患者を診るのに必死だったけど、自分がこっちの立場になって思う。
一人一人の人生がかかってるなって。
必死すぎて、気づかなかったのかな。
俺がここに来たのは、きっと生きたいって思ってるからだよな。
そう思い込まなきゃ、もう座ってすらいられない気がした。
『深澤辰哉さん』
自分の名前が呼ばれて中に入ると、これから俺の主治医になるであろう白衣を着た先生がいた。
座ってください、と言われて頷いて腰掛ける。
『深澤さんね〜………え？！』
まじまじと俺の顔を見る先生。
俺もつい真正面からガン見する。
『ふっかと同姓同名か〜とか思ってたらふっかじゃん！』
目の前で驚きと喜びの声をあげているのは、一年先輩の医師、渡辺翔太だった。
出会った当初からタメ語でいいよ〜なんて言うユルい先輩だったけど、実は頭の回転が早くて、成長の早い人だ。
深澤「……久々だよな〜」
あくまでも平然を装って、翔太と話す。
翔太「感動に入り浸りたいとこなんだけど、患者がまだ沢山待ってるからね。」
深澤「俺も、早く知りたいから。」
そういうと、一気に翔太の目が医者の眼差しに変わった。
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白林檎(プロフ) - にこさん» にこさん、初めまして。前作をお読みいただきありがとうございます。久しぶりの投稿なので少し緊張していますが、これからもよろしくお願いします！ (2月15日 16時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 初めまして。完結されてだいぶ経ってから前作に出会ったのですが、兄弟思いな蓮くんが懸命に病気と闘う様子に胸を打たれ、大好きなお話になりました。白林檎さんの新作が読めるということでとても楽しみです！ (2月13日 11時) (レス) @page3 id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2024年2月8日 1時
