俺は幸せだと思う ページ3
深澤side
結局雪は降らなかった。
今じゃすっかり雲のない綺麗な星空を眺めて、家に帰る。
部屋に着いてすぐ、ソファに体を預けた。
息切れがひどく、どうにも体がだるく感じた。
1ヶ月も前からそんな日々が続いていて、それを隠すのに必死だった。
元は医者の卵だったわけだし、これがただの風邪じゃないかもしれないって思い始めるのは早かった。
だけど、病院に行く勇気が出ない。
俺、結構弱虫かもしれない。
でも、隠すこともしんどくなってきた。
照は敏感だから、俺の変化なんてもうじきバレるに違いないし。
次のオフ、いつだったっけな。
病院、行かなきゃな。
嫌な予感がずっと頭をよぎって、その度に頭を振ってその思考を取り払う。
時計を見ると、もう日付が変わろうとする時間だった。
どんだけボーッとしてたんだよ。
明日も仕事だし、遅刻したら照に怒られるし。
重い身体を起こし寝室に向かうと、ベッドに沈み込むように倒れ込んだ。
まもなく睡魔が襲ってきて、抗うことなく落ちていった。
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白林檎(プロフ) - にこさん» にこさん、初めまして。前作をお読みいただきありがとうございます。久しぶりの投稿なので少し緊張していますが、これからもよろしくお願いします! (2月15日 16時) (レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 初めまして。完結されてだいぶ経ってから前作に出会ったのですが、兄弟思いな蓮くんが懸命に病気と闘う様子に胸を打たれ、大好きなお話になりました。白林檎さんの新作が読めるということでとても楽しみです! (2月13日 11時) (レス) @page3 id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白林檎 | 作成日時:2024年2月8日 1時