慌ただしい日常 ページ1
阿部side
白い床を歩けば、小さな足音が響く。
白衣がひらひらと翻り、それがまた小さな音を立てている。
自分のデスクに腰掛けると、パソコンを起動させて、電子カルテを書き込んでいく。
都内の大学病院。
毎日たくさんの患者さんが訪れて、目まぐるしく1日が過ぎる。
その病院に医者として勤めて、早くも10年が経とうとしている。
患者さんの命を預かる場所だからこそ、毎日気を引くことなんてできない。
慣れることなんて一生無いだろう。
だけれど、俺はこの仕事が好きだと思う。
俺を慕ってくれる後輩もできたし、尊敬できる先輩医師もいる。
なぁ、ふっか。
お前だって一人前の医者になって命を救う。
そうなりたかったんだろう？
デスクに立てかけられた写真立てに心で問いかける。
そこには、数年前の俺と、同期だったふっかこと、深澤辰哉が写っていた。
まだ研修医の頃、ふっかが強引に撮ってきた1枚。
今では、ふっかをみるための貴重な1枚。
…と、携帯していたPHSが鳴る。
患者の急変を受け、俺はまた駆け出していく。
ふと窓の外を見ると、どんよりとした天気だ。
そういや、雪が降るかもしれないってニュースで言ってたな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白林檎(プロフ) - にこさん» にこさん、初めまして。前作をお読みいただきありがとうございます。久しぶりの投稿なので少し緊張していますが、これからもよろしくお願いします！ (2月15日 16時) (
レス) id: c971cdea3b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 初めまして。完結されてだいぶ経ってから前作に出会ったのですが、兄弟思いな蓮くんが懸命に病気と闘う様子に胸を打たれ、大好きなお話になりました。白林檎さんの新作が読めるということでとても楽しみです！ (2月13日 11時) (レス) @page3 id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白林檎 | 作成日時：2024年2月8日 1時
