【アーレス】Don't look back!【小説版】 (ページ8)

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8話／零姉救出大作戦【月宮空斗】ページ8

現在地、森の中。
右も左も､北も南も分からない､たくさんの木が生い茂った森の中。
朝食を食べ終わったあと、散歩をするためにここへやってきた。

右へ左へ。気の向くままに歩き回っていれば、見知らぬ道。
そんなこと気にせずにまたフラフラと歩き回っていると､気付けば森の奥の方まで来てしまっていたようだった。
今まで、森の奥の方へは全く言ったことがない。
森の奥は魔物が多い。流石に焦りを感じて､シェアハウスに戻ろうと思ったがもう遅いようだ。立ち止まって周りを見渡すも、自分がどっちから来たのか、どこが北か……。
やってしまった。
普段は森の奥には来ないので、何がなんだか分からない。

ガサリと葉が擦り合わさった音が横から聞こえる。
……ここから逃げなくては。

必死に走る。
膝が笑っていたが、それどころではない。
はやく、はやく遠ざからなくては。

たった数分。俺にとっては数時間。
先程の場所からは離れた所で膝に手を置き息を整える。
ある程度整ったところで前を向くと、1番に視界に飛び込んだのは誰かの手だった。
自分の所属はアーレスだが、ここで見殺しにするわけにはいかない。
投げ出された真白の手に向かって恐る恐る歩いていけば、現れたのは随分見慣れた後ろ姿だった。
……いや、後ろ姿とは言わない。

それは、同じアーレスの灰ヶ峰零だった。
あの時と似ている。まるで身体の真ん中の方にアイスキャンディーでも詰め込まれたような感覚。
肩を揺さぶって彼女の名前を呼ぶ。

「零姉､零姉!!大丈夫?起きて？零姉ってば……!!!」

何度かそうやっていると、不意に彼女が呻き声を出した。
良かった、生きてる。少しだけ、安心した。

「空斗?……あれ、魔物は。」

驚いたようにこちらを見つめてくる零姉。

「魔物……?そんなのいなかったよ。それより､生きてて良かった。」

「いなかった?……なんでもない。帰ろう、空斗。」

「え、あぁ、うん。大丈夫?歩ける？俺、おぶろうか？」

力はあるはずだよ、だなんて言ってほんの少ししかない力こぶを見せる。
ないじゃん、なんてからかうように笑って､そのまま一緒に帰る。
もちろん道は分からないから零姉にナビをしてもらって､シェアハウスまで戻った。

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キャラ崩壊してるかも……。すいませんでした……!!
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