16話 【小日向陽葵】 ページ16
「ルルちゃんっ!」
何とか人混みをくぐり抜けルルちゃんと洋介さんの元へと走る。
「よ、洋介さん!大丈夫ですか!?ルルちゃん無事ですか!?」
「大丈夫やって!気持ちよさそーに寝てるやろ?」
「よかったぁぁ……」
思わず涙がこぼれそうにもなったけれど、ぎりぎりのところで堪える。
「小日向ちゃんルーちゃんと同室なんやっけ?」
「そうです!」
「じゃあ行こか!」
そんなやり取りをして洋介さんと歩き出す。
その時、ふと思った。
あれ、私今日、何に能力使ったんだっけ…?
能力が使えればルルちゃんの負担を自分が軽く出来たのでは?
…そうだ、今日はちーちゃん先輩と遊んでた時に、なんかその場のノリで3回使っちゃったんだった。
「洋介さん」
「なんやー?」
「私、馬鹿ですね…」
「へっ!?」
唐突な発言に驚く洋介さん。
「あとで、ルルちゃんにあやまります…」
「は、はあ…なんかわからんけど頑張ってな…?」
こくりと無言で頷いて、部屋のドアを開ける。
ルルちゃんをベッドに寝かせてもらって、洋介さんが戻っていくのを見送った。
そして私はルルちゃんのベッドのとなりに座る。
ルルちゃんの顔を覗きこむと、本当によく眠ってるみたいだった。
なんとなくルルちゃんの手を握ってみる。
「なんにも出来なくて、ごめんね、ルルちゃん…」
そんなことを呟いても誰も聞いているはずがなく。
「私、ルルちゃんの力になれるように頑張るね。ルルちゃんは私の大事な友達だもん…」
そう呟き、ルルちゃんの目が覚めるまで待っていようと小さな決意をした。
その後すぐに睡魔が襲ってきたんだけど…うん、どうなったかは、察してね。
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緋雨(プロフ) - 更新しました (2019年1月27日 19時) (レス) id: a99e3f0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
緋雨(プロフ) - 更新します。 (2019年1月27日 19時) (レス) id: a99e3f0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
八彩(プロフ) - 終わりました。 (2019年1月12日 20時) (レス) id: 6f8b3d2233 (このIDを非表示/違反報告)
八彩(プロフ) - 更新します。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6f8b3d2233 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 終わりました (2019年1月11日 22時) (レス) id: 0f72c4ac28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アーレス(八彩・ユリ夜桜) x他3人 | 作成日時:2018年9月15日 13時