ニヒャクニジュウロク話 ページ31
アサシンが私の着替えを取りに行ってくれている間、私は縁側と呼ばれる部分に膝を抱えて座り込んだ。
セイバーはシロウ君のお手伝いに立たれたのでいなく。
ぼんやりと月が西に傾く夜空を見上げながら、極力考えないようにしていたランサーのことを考えてしまった。
エルメロイ派のことを考えると逃げたことは正解だけど、逃げてしまったことに酷く後悔している私がいることは確かで。
悲痛に私を呼ぶランサーの声を思い出して胸が痛い。
「……ランサー」
「呼んだか？」
「！」
ぽつりと呟いた声に対する回答があって、背後を見ると第五次のランサーが直ぐ側で私を見下ろしていた。
余りにも近い距離のために仰け反ってしまったけど。
「す、すみません。貴方のことを呼んだ訳ではないのです。紛らわしくて申し訳ありません」
「ふーん……」
ずりずりと手と足で距離を少し取りつつそう言えば、いつかの時のようにその赤い瞳でじっと私を下ろしてくるのでどうしたのかと尋ねた。
「あまり詮索する気はねぇが、何かあったのか？」
「……いえ、特には」
「嘘だな。あんたに付けられいる加護が歪み始めて呪いに変わりつつあるんだぜ？ 何かあったんだろ」
人一人分程の距離を開けて胡座をかいて座った第五次のランサー。
どうやら私から話を聞くつもりらしい。
それよりも。
「加護？ 呪い？」
赤い目が私を射抜く。
「あぁ。エリンの加護だ。前にアンタを見た時は確かに正常に施されたままだった」
前とは、時計塔で出会った時のことか。
それともアトラムさんの工房で鉢会ったことか。
どちらにしても、今よりも以前であることは間違いない。
「元々はお姉ちゃんの左手にあった令呪と契約していたサーヴァントが付与したのだろう。守るために付けたんだろうが今は違う。今は、アンタを縛り付ける呪いに変わりつつある」
第五次のランサーの言葉に、眉間に皺が寄ってしまう。
確かに十年前に、ランサーが私に言ったことがあった。
ーー貴女様にエリンの加護があらんことを。
あの時に、その加護が付与されたというのだろうか。
だとしても、どうして呪いになりつつあるのかがわからない。
左手の甲を撫でるけど、もちろんそこには何もない。
何も描かれていない、ただの手の甲があるだけ。
「取るというなら取ってやってもオレは構わないが、どうする？」
私を変わらず見据えてくる第五次のランサーの視線を、視界の端で確認しつつどうするか考える。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (
レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました！ここまで書いて下さりありがとうございます！これからも応援してます！あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます！凄く嬉しいです！ (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2021年3月12日 1時
