ニヒャクキュウ話 ページ14
オイルを取り出すためにランプの明かりを消したので真っ暗になってしまった。
光源がないのはとても不自由だから。
「
そっとランサーと私を中心に結界魔術を展開した。
うっすらと光る結界のお陰で手元を確認するだけならこれだけの光で十分。
傷が治ったランサーの右手と枷の隙間に入るように、ランプから
左手で押さえ続けつつもランプを一度石畳の上に置いてから空いた右手で枷を掴み、軽く右左と回すように抜けるように外の方へと押していく。
焦燥感に
枷という支えがなくなり、ランサーの右腕の重さが支えていた私の右腕にくるのでプルプルと自分の筋肉が震えているのを自覚しつつもゆっくりと下ろし──。
「?」
腕に温かさがないことに気付く。
人の体温としては明らかに低い温度。
嫌な予感がして。
ランサーを見れば明らかに異常をきたしていることが今、わかった。
「ッ! ランサー! 起きてくださいランサー!」
肩を揺すりながら何度も呼び掛けたけど相変わらず反応はない。
圧倒的に彼の血が足りていないのは見てとれた。
そして、魔力も圧倒的に不足していることも、見て取れた。
動揺していたとはいえ少し冷静にランサーを見れば魔力不足だということはわかったはずなのに。
先程までの平常心でいられなかった私に言えるのなら言いたい。
どうして魔力不足であることがわからなかったのか。
「っ、いや、です。消えないでランサー……」
魔力が枯渇すればサーヴァントはこの世に
どういう理由で彼がいるのかわからない。
わからないけど。
折角、折角もう一度出会えたというのに、お礼も何も言えないまま、もう一度さよならだなんて悲しすぎる。
「ランサー! 起きてくださいランサーッ」
呼び掛けても反応はないまま。
どうすればいい?
どうすれば、彼を助けられる?
「……」
これきっと、淑女としてはダメなこと。
でも、今考え付くのはこの方法しかなくて。
「ごめんなさいランサー……」
彼の青白い両頬に私の両手を添えて上を向かせて。
体温を感じないその唇に、自身の唇をそっと合わせた。
ニヒャクジュウ話 ※微官能表現注意→←ニヒャクハチ話 ※流血表現注意
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
186人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時