ヒャクキュウジュウナナ話 第三者視点 ページ2
二人が急ぎ戻るなか、廃墟の方から悲鳴が上がる。
「! 遠坂!!」
「っシロウ君一人では!」
声は十中八九凛のものであろう。
橋の時の負傷したものに加えて、先程葛木の攻撃により全身打撲も追加された。
満身創痍といっても過言ではないというのに、そのように動いては倒れかねない。
だが、士郎は傷を感じさせない動きで一人先に廃墟内へと向かう。
人間なのかと思うほどの俊敏に動く士郎の背を、彼女は小さく溜め息吐いて直ぐに追い掛けた。
士郎と共に急ぎ戻った廃墟内は、勝敗がもう決まったと同然な状況であった。
月光が差し込むその場所で葛木によって首を掴まれ器官を軽く締め上げられている凛と、両手に武器を持たない赤いアーチャー、そして楽しげなキャスターと側に控えるようにいるセイバー。
「遠坂ッ!!」
圧倒的に此方が不利な状況であった。
「遅かったわね坊や、アサシンのマスターさん。もう少し早く戻っていたら少し違ったかもしれないけど、もう遅いわね」
「っリンちゃん!」
「動かないで。もちろんアサシンが動いたとしても、この娘が死ぬことになるわ。それはあなたも本意じゃないでしょう?」
口元を弧を描くように笑ったキャスターは、さてとと黙って虎視眈々と機会を窺っている弓兵へと再度尋ねる。
「もう一度尋ねるわ、アーチャー。私の下へと付きなさい。そうしたら貴方のマスターと、そこの坊やは助けてあげてもいいわ」
「……アサシンのマスターはどうするつもりだ」
「貴方に関係ないことでしょう? さぁ、答えを聞かせてもらうわ」
既に答えは分かっていると言わんばかりに口元に弧を描くキャスター。
舌打ちを一つ溢した赤いアーチャーは了承の意を述べた。
「では早速」
懐から宝具を取り出したキャスターに、赤いアーチャーは待ったを掛ける。
「先に凛を解放しろ」
「……宗一郎様」
「いいや、契約が先だ。別にこちらはこの者達がどうなろうと関係ない」
隙を見て凛を助け出そうと彼女が足を動かそうとすれば、葛木は締め上げていた凛を地面に振り下ろし抑え付けた。
「あああぁぁぁああ!!!!」
「凛!」
「遠坂!」
声が枯れんばかりの悲鳴の傍ら、葛木は温度を感じさせない目で今動こうとした人物を見る。
「アサシンのマスター、キャスターは言った。動くなと。その指示に従えないのならこの女の首をへし折る」
「……」
苦虫を噛んだかのような表情をした彼女は、もう動けなかった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時