ニヒャクヨンジュウヨン話 ページ49
「あららー? マスター、気が緩んだのか? でも、もう少しシャキッとしておけよ? まだ坊主とお嬢さんが城の中にいるのだからさ」
「はい……」
目線が合うように私の前に屈むアサシンに、頷く。
正直キャパシティーオーバーしそうな程の情報量を与えられたから頭が痛い。
考えることが多過ぎる。
でもアサシンの言うことは最もなため、早くアインツベルンの城に戻るべきだろう。
しかし。
「腰が、抜けました……」
安心したため、どうにも足に力が入らない。
立とうとすればまるで生まれたての
そんな様子の私に、けらけらと笑ったアサシンが背を向けてくれた。
「やっぱマスターには少し刺激が強すぎるだったか?」
「……はい」
自力でアサシンの背に乗って彼の肩に捕まれば、アサシンは一度体勢を整えるために私を背負い直す。
でも、本当にアサシンが死んでしまうと思ってしまった。
あれ程の血を流して傷ついて。
まるであのランサーのように、夢で見た呪詛の言葉を吐くランサーの時のように、座に戻ってしまうのではないかと気が気ではなかった。
少しばかりアサシンの肩を強く掴めば私の方に軽く振り返って、苦笑い。
「心配かけてごめんな? でもなマスター、マスターも俺に対してそういう気持ちを抱かせてるってこと、覚えておいてくれ」
「……そんな、つもりは」
「なら俺もマスターに対してそう言い直そうか?」
思わず閉口してしまう。
決してそのようなつもりは毛頭ないのだけど。
でも心配は掛けてしまっていることは理解しているので、言葉を飲み込んだ。
「とりあえず、城に向かうから確りと掴まってろよマスター?」
「はい、少し急ぎ目でお願いします」
走り出したアサシンの背中越しに先を見た。
鬱蒼と生い茂る草木によって、陽光が遮られているために少し気温は低い。
身を竦め、寒さを堪え忍びながら少しだけ気になることを考えた。
どうしてアサシンは私の夢の中の人物を知っているのだろうか。
確かに夢の内容はアサシンに話したけど、私は出会ったフードの男性の特徴を何も言っていない。
だというのに、あの夢の内容を知っているかのような口振りでもあった。
まるで直接見ていたかのような……。
「マスター? どうかしたか?」
「……いえ、なんでもありません。急ぎましょうアサシン」
「オーケイ」
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時