ヒャクキュウジュウイチ話 ページ45
食べ終えてアサシンが洗い物をしてくれて、少し時間が経った頃。
頭がやや重くなってきた。
「? どうしたマスター?」
「なんだか眠くなってきまして……」
目を軽く擦る。
身体が睡眠を欲しているように眠気が襲ってくる。
「大丈夫か?」
「はい、少し眠いだけなので……」
起きられない程のものではないけど、それでもベッドで横になったとしたら直ぐに眠りに落ちてしまいそうなものであった。
心配そうな表情のアサシンに大丈夫だと伝えつつ、溢れ出る欠伸を噛み締める。
「少し寝たらどうだ?」
「いいえ、頑張って起きます」
目尻も眉尻も下げた私の姿を模しているアサシンに、その提案を断った。
今眠ってしまってはきっと約束の時間に間に合わなくなってしまう。
もしかしたらランサーに会えるかもしれないのだから絶対に起きておかなけれなならない。
いまだに信じられない。
でも、それでも私は確かめなければならない。
彼が本当に十年間、ずっと現界していたのかどうかを。
「無理すんなって、目を開けてるのもつらそうだぞ?」
「……」
気を抜けば舟を漕ぎそうになるのをどうにか我慢する。
「っアサシン?」
音がしたと思えばアサシンに抱え上げられていた。
自分に抱え上げられるという不思議な体験をしているが考えが上手く纏め上がらない。
「少し寝ておけ。倒れられたらお嬢さんや赤いアーチャーに迷惑が掛かるかもしれないだろ?」
「でも……」
廊下を歩き、寝室にやってきたアサシンは丁寧にベッドに下ろしてきた。
横になったためか、
「時間になったら起こしてやるからさ」
時計の方を見たアサシンに私も釣られるように時計を見れば、今の時刻はお昼の一時を過ぎたところ。
「……じゃあ、夕方の四時になったら起こしてください」
「ん、わかった」
アサシンに頭を撫でられてウトウトとし始めてきた。
忍び寄ってくる睡魔に抗うことなく身を委ねる。
目を閉じれば、アサシンも光を遮断してくれたのだろう。
真っ暗になった。
「おやすみ、マスター」
「……おやすみ、なさい」
頭を撫でてくれる手が心地良く、意識は暗闇に落ちる。
「……ごめんな、A」
でも落ちる寸前にアサシンが何故か悲しそうな声色でそう言う。
どうして謝るのか問いたいけど、眠くて。
そのまま私は眠ってしまった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - セツナさん» こちらでもコメントありがとうございます。その部分は私も個人的になかなかいい感じに書けたと思っており、そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (9月6日 19時) (レス) id: 28f5cad4bb (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 微破廉恥注意の部分でのアサシンとアーチャーの会話が面白すぎますw (9月5日 22時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 爽@推しに貢ぎたい隊長さん» 二度目のコメントありがとうございます! 続編も公開に向けられるように頑張りますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年2月12日 21時) (レス) id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
爽@推しに貢ぎたい隊長(プロフ) - あ、コメント失礼します。もう一度最初から読んできました!続編お待ちしております! (2021年2月11日 20時) (レス) id: f8f17f4c0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり光栄の極みです(照) 主人公かわいいと言っていただけて、もう嬉しくて小躍りしてしまいそうで……。続編公開までもう少々お時間を有しますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月8日 9時