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ヒャクヨンジュウキュウ話 ページ4

しばらく警戒しつつ、雲の形を見たりアサシンと少し会話したりしていれば階段下から足音が聞こえてきた。

音は一人分だけ。

月明かりは空が曇って陰ってしまっているので、注意深く階段下を見ていれば見知った姿にほっと息を吐いた。

「こんばんはMr.クズキ」
「あぁ、こんばんは。今晩は冷えるな」

階段を上がってきたのはMr.クズキであった。

踊り場より上の階段に座る私を見ていつものように声を掛けてくださった。

「今日は雲があるから余計にそう感じるのかもしれません」
「気温も低いと聞いている。風邪を引かないように防寒するといい」
「はい」
「アサシンも御苦労」
「……どーも」

(ねぎら)いの言葉を掛けてくれるMr.クズキはそのまま私の横を通り過ぎ、る訳でもなく、その場に佇んだまま。

どうしたのだろうか。

いつもなら二言三言話したあとには柳洞寺に戻られるというのに。

「Mr.クズキ?」
「先程、私がマスターだということをセイバーのマスターである少年と、マスターであろう少女の二人に知られた」
「シロウ君に、ですか」
「知り合いか?」
「はい、少しだけ」
「そうか」

セイバーの気配が近くにあったのはシロウ君がMr.クズキと接触するためだったのか。

シロウ君は大丈夫だっただろうかと考えつつも、戦闘をされたのかと尋ねると頷かれた。

「安心するといい。殺してはいない」

その言葉に少しだけ安心したと同時にMr.クズキの方も一見したところ怪我もなさそうだった。

「どうなされるつもりなのですか? 籠城されるのですか?」
「いいや、いつも通りだ。テスト前の課題の採点やテスト対策で少し遅くなるやもしれないが、変わらず学校には行く」

目を瞬く。

Mr.クズキが魔術師ではないことは知っている。

というより、魔術師特有の気配といえばいいのか、なんと表現すればいいのか不明だけど、時計塔で出会う魔術師達の独特な雰囲気を纏われていない。

どちらかと言えばキリツグ・エミヤに似た空気を纏われているから。

と、考えていればMr.クズキの後ろにキャスターが現れた。

「宗一郎様、明日もあることです。あとは私が二人に話しておきますのでどうぞ宗一郎様はお休みください」
「そうか、わかった。頼んだぞキャスター」
「はい」

私に軽く頭を下げられてからMr.クズキは私の隣を通り過ぎて階段を上がり、柳洞寺の中へと入られていった。

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翔べないペンギン(プロフ) - セツナさん» こちらでもコメントありがとうございます。その部分は私も個人的になかなかいい感じに書けたと思っており、そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (9月6日 19時) (レス) id: 28f5cad4bb (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 微破廉恥注意の部分でのアサシンとアーチャーの会話が面白すぎますw (9月5日 22時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 爽@推しに貢ぎたい隊長さん» 二度目のコメントありがとうございます! 続編も公開に向けられるように頑張りますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年2月12日 21時) (レス) id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
爽@推しに貢ぎたい隊長(プロフ) - あ、コメント失礼します。もう一度最初から読んできました!続編お待ちしております! (2021年2月11日 20時) (レス) id: f8f17f4c0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり光栄の極みです(照) 主人公かわいいと言っていただけて、もう嬉しくて小躍りしてしまいそうで……。続編公開までもう少々お時間を有しますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年8月8日 9時

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