ヒャクナナジュウサン話 ページ28
黙ってしまった私をリンちゃんは静かな声で尋ねてきた。
「もう一度尋ねるわ。どうして貴女は二騎のサーヴァントと契約していたの？」
「……わかり、ません」
ランサーは確かにあの時、十年前の聖杯が現れた時に、私を庇って泥の中に消えた。
消えて、座に還って、ただの記録の一部として扱われるだろうと思っていたのに。
「わからないのです。彼は確かに十年前の聖杯戦争の時に座に」
「ちょっと待って。貴女、十年前の聖杯戦争に参加していたの!?」
睨むように私を見るリンちゃんに、戸惑いつつも頷く。
「なら教えなさい。十年前の聖杯戦争で父を、遠坂時臣を殺したのは貴女かどうか」
射抜くように、刺すように、私を見るリンちゃんは文字通り親の仇を見るような目だった。
ーー凛。
「アーチャーは黙ってなさい。これは遠坂として聞いているのよ」
ーーお嬢さん、うちのマスターをいじめないでもらえるか？
「アサシンも黙って。私はこの人に尋ねているの」
答えろと、目も口も語っている。
綺麗な青い瞳の奥に、燃え上がるかのような激情が見えて。
怯えながらも首を横に振って否定した。
「わた、しは、ランサー陣営は、誰も殺してませ、ん……」
十年前の聖杯戦争ではランサー陣営はどの陣営の人間を殺してはいない。
むしろランサー陣営はセイバー陣営、いやセイバーのマスターであったキリツグ・エミヤから命を狙われていた。
絞り出すように言葉にしたそれは、リンちゃんに再確認をするようにもう一度問いかけてきて。
頷けば悔しそうに顔を歪めたあと、一拍置いて私に謝ってくれた。
「ごめんなさい。変なことを聞いたわね」
「……いえ」
見えていた激しい程の怒りは瞳の奥へと消えて、綺麗な青のみが伺えて小さく安堵した。
ーー大丈夫かマスター？
「……えぇ、心配してくださってありがとうございます」
気遣うアサシンにお礼を言うとリンちゃんに呼ばれる。
「話を戻すけど。貴女が十年前の聖杯戦争に参加していたというのなら、キャスターが令呪を使って喚んだのは貴女が十年前に契約していたサーヴァントという可能性が十分高い」
「でも！」
「でもも何もないわ。彼方は貴女の名前を呼んでいた」
「……っ、でも。例え、ランサーだったとしても、聖杯戦争が終了すれば英霊は座に還るのが原則です」
受肉でもしな限り、聖杯戦争が終われば座に戻る。
第四次では誰も聖杯に願っていない。
だから、ランサーがいるはずない。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - セツナさん» こちらでもコメントありがとうございます。その部分は私も個人的になかなかいい感じに書けたと思っており、そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (9月6日 19時) (
レス) id: 28f5cad4bb (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 微破廉恥注意の部分でのアサシンとアーチャーの会話が面白すぎますw (9月5日 22時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 爽@推しに貢ぎたい隊長さん» 二度目のコメントありがとうございます！ 続編も公開に向けられるように頑張りますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年2月12日 21時) (レス) id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
爽@推しに貢ぎたい隊長(プロフ) - あ、コメント失礼します。もう一度最初から読んできました！続編お待ちしております！ (2021年2月11日 20時) (レス) id: f8f17f4c0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» コメントありがとうございます！ お褒めに預かり光栄の極みです(照) 主人公かわいいと言っていただけて、もう嬉しくて小躍りしてしまいそうで……。続編公開までもう少々お時間を有しますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2020年8月8日 9時
