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ヒャクハチジュウサン話 ※微破廉恥注意 ページ38

アサシンの案内の元、向かった先は紅茶のいい香りがするリビングだった。

優雅に紅茶を飲むリンちゃんは、正しく何処かの国のお姫様と言われても頷いてしまうくらい洗練されたもので、思わず見惚れてしまう。

「なにぼさっと立っているの? 座ったら?」
「し、失礼します……」

リンちゃんの前のソファーに座った。

変わらず前を隠すように着ていた服でカバーしていれば、置いたらとリンちゃんが提案してきて。

「い、いえ! このままで結構です!」
「なに言ってるの。朝食を食べるのにそれだと手も使えないし服も汚れるでしょ」
「お、お構いなく!」
「……」

じっと見てきたリンちゃんに、何か反らせる話題はないかと考えて。

「た、タイガは? タイガはどうしたのですか?」
「藤村先生なら、さっき元気に朝食を食べ切って一度家に戻られたわ」
「よかった」
「で? 話を戻すけど、何故前を隠しているのかしら?」

話を戻されてしまった。

笑顔のリンちゃんに可愛いと思いつつも、流石に太ったことは言いたくないので言い訳を模索。

「あ、あの、その、Vネックだから少し寒くて……」
「カッターシャツも渡したでしょ? それに今は暖房が効いているから寒いはずはないわ」
「えっと、実は私極度の寒がりで……」
「今の設定気温は二十六度だけど、それでも寒いのかしら?」
「……」

ダメだ、もう何も思い付かない。

「……前が閉められないのです」
「はい?」
「その、太ったのか、カッターシャツの前が閉められなくて」
「……」
「流石に失礼だと思って前を隠していました」

唖然とした表情のリンちゃんに、申し訳なく思いつつも折角用意してくれたものに対して文句を言うような形になってしまった。

無言で立ち上がったリンちゃんは、私の前にくると両手を伸ばしてきて。

「!?」
「嘘でしょ……パッと見、私と同じぐらいだと思ったのに……」

布越しとはいえ大きさを確認するかのように胸に手を当ててきた。

「り、リンちゃん!?」
「……」

無言で自身の胸と私の胸と見比べて落ち込むリンちゃんにどう声を掛けようか、それ以前にそろそろ揉むのをやめてほしい。

ーー……。
ーーアーチャー、あんたのマスター止めるべきじゃね?
ーーそう言うなら貴様が止めればいいだろう、アサシン。
ーー無茶言うな。見ちゃあいけないものを見ているような気がするのに、気まずくて声を掛けられるかよ。
ーー生憎私も貴様と同意見でね。遠慮したい。

いや、見てないで助けて。

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翔べないペンギン(プロフ) - セツナさん» こちらでもコメントありがとうございます。その部分は私も個人的になかなかいい感じに書けたと思っており、そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (9月6日 19時) (レス) id: 28f5cad4bb (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 微破廉恥注意の部分でのアサシンとアーチャーの会話が面白すぎますw (9月5日 22時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 爽@推しに貢ぎたい隊長さん» 二度目のコメントありがとうございます! 続編も公開に向けられるように頑張りますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年2月12日 21時) (レス) id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
爽@推しに貢ぎたい隊長(プロフ) - あ、コメント失礼します。もう一度最初から読んできました!続編お待ちしております! (2021年2月11日 20時) (レス) id: f8f17f4c0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり光栄の極みです(照) 主人公かわいいと言っていただけて、もう嬉しくて小躍りしてしまいそうで……。続編公開までもう少々お時間を有しますのでお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年8月8日 9時

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