橄欖の側にて咲く青薔薇の密かな望み。そのサン

ヒャクニ話 ページ6

目が覚めたのは、まさかの五日後のお昼だった。

ーーやっぱ何かの病気じゃね？

柳洞寺から私を背負って帰ってきてくれたらしいアサシンは、私が起き上がるとそう言ってきた。

お医者様の診断では至って健康と言われているので何もないと思うのだけど、流石に五日も眠っていたとなると何か患っているかもと考えてしまう。

「わかりました、もう一度お医者様に診てもらいましょう」

ということで必要なことを済ませてから、今回は以前受診したお医者様とは違うところで診断を受けようと思う。

大きな欠伸を噛み殺しながら、お気に入りと化しているグレイちゃんからの贈り物を身に付けていざ外へ。

「……」
ーー傘が必要だな。

まさかの雪が降っていた。

大雪とまではいかないけど深々と降っている雪は地面に少し積もっていて。

更に言えば雪のためか寒い。

「……今日は大事をとってここにいるべきだと思いました。戻りましょう」
ーーいやいや、待て待てマスター。


閑話休題。


「此処であったが百年目！ 今日こそ飲みとパジャマパーティーに付き合ってもらうんだからね！」

ヘルメットを着用しつつバイク片手に現れた友人に苦笑いしか浮かばない。

結果から言えば診断内容は変わらなかった。

以前とは別の病院で診断したのだけど至って健康としか言われなく。

もしかしたら精神的何かストレスを抱えていることによる過眠症かもと診断してくれたドクターが言ってくれたけど、ストレスは抱えているつもりはない。

実際は何かしら気付かない内にストレスを感じているのかもしれないけど、家のためだからそうも言っていられない。

よかったら紹介状を書こうかと申し出てくれたドクターにお礼を言って、断った。

時刻は既に夕方で、雪はもう上がっていたので傘が邪魔だと思いつつ帰路に着いていれば背後からそう声を掛けられたのである。

「こんばんはタイガ」
「あ、うん。こんばんは。挨拶できることはいいことだけどお姉さんの発言をスルーされるのとっても悲しいなぁ」
「ご、ごめんなさい？」
「罰として今日は飲みに付き合うこと！ 異論も反論も認めません！」

と、何故か飲み会をすることになった私とタイガである。

アサシンも頑張れって言ってくれているけど助けて。

お酒はそこまで強くないのだから。

道中で見つけたらしいスーパーでお酒、缶ビールや酎ハイやワインなどなど、色々なお酒を嬉々として買うタイガを本当に誰か止めてほしい。

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