ヒャクヨンジュウ話 ページ44
到着した時刻は夜の七時九分だった。
軽く酔ってしまった私を気遣ってアサシンは背負ってくれたまま、あの長い階段を上っていただけたので本当に感謝しかない。
いつもの柳洞寺前の門の手前にある踊り場に下ろしていただいて、アサシンに門番を任せて自分の足で柳洞寺へと登った。
「マスター、俺も行く」
「大丈夫です、お礼を言って直ぐに戻ってきますから」
「……今日の電話みたいに、あんま長々話すなよ?」
踊り場にいたアサシンは鋭い視線を一度柳洞寺へと向けたけど、溜め息を一つ溢して霊体化したのだった。
気配的に踊り場辺りにいるような気もするため、付いてくるつもりはないのだろう。
アサシンの忠告通り長くならないようにしないと、と思いながら門を
「キャスター」
日本特有の建築だから、どことなく和風だと毎回思いながらもキャスターを呼ぶ。
それほど大きな声で呼んだ訳ではないのだけど、少しすれば二メートルぐらい先にいつも通りフードを被っている、でも少し楽しそうに口元を緩く弧を描いているキャスターが現れた。
「何かしら?」
「呼んでしまってすみません。昨日のお礼にきました」
助けてくれてありがとう。
「……」
「キャスターが渡してくれた薬のお陰で魔力が回復しました。本当にありがとうございます」
「……本当に、貴女は疑うことを知らないのね」
「? キャスター?」
真一文字になった口から小さく何かを呟いたキャスターに、何かと聞き返せばなんでもないと言う。
「それよりこのお礼は結構よ、かわりに確り門番を務めてくれたらいいわ」
「良いのですか?」
「えぇ」
再び弧を描くように口元に笑みを浮かべるキャスターに、頷いた。
キャスターがそれでいいと答えるのなら、私は確りと門を守るようにしよう。
戻ることを伝えて踵を返せば、そうそうとキャスターが続ける。
「ライダー、脱落したわ」
「!」
聞こえた言葉に目を剥き、咄嗟に振り返るとキャスターは既に霊体化したらしい、視界に映るには光の粒子と
「キャスター、ライダーが脱落したって、いつですか?」
声を上げるが待てども返答はこない。
諦めて柳洞寺の門を出た。
直ぐ様アサシンが霊体化を解いて何もなかったかと問うてくるので頷きつつ、キャスターに教えていただいたライダーが脱落したことを伝える。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時