ヒャクサンジュウサン話 ページ37
「ツンデレか」
「?」
消え去ったキャスターがいた方を見たアサシンがぼそりとそう呟いた。
いやツンデレって何?
アサシンを見上げると目が合い、とりあえず戻るということで柳洞寺を出ていつも待機している踊り場を。
「!」
通り過ぎて階段を下っていくアサシンに念話で止まるように指示をする。
まだ夜中だ、門番の役割がある。
しかし止まることなく一段一段降りていくので、何度もアサシンに念話で止まるように指示を出した。
「いんや、まずマスターの魔力回復が一番の優先だ。キャスターにはあとで俺が言っておく」
「(ですが)」
「ですがかかしもないっての。生きて戻るんだろ?」
「(はい、ですがそれには)」
「なら自分のことを一番に考えないと」
促すように言われて。
考えて、はいと念話で返した。
アサシンの言うことは最もである。
階段を降りる毎に眠気が酷くなりつつあるのでアサシンに持っていただいている鞄の中からいつも服用している薬を出してもらい、錠剤を一つ口に押し込んでもらった。
そしていただいた小瓶の中身、赤い何かの液体である、をアサシンに支えてもらいつつ小瓶を傾けて飲ませてくれる液体をゆっくりと飲む。
「(不味い)」
「わがまま言うんじゃない」
表情筋はまだ辛うじて動いてくれるらしく顔を顰めてしまう。
酷い味だった。
非常に苦く鉄臭く、それでいて少しとろみがある嫌な味。
血の味、ではないけど近いような気がする。
軽い吐き気を催す程のものを必死に耐えて、飲み干した。
「はい、完食。じゃあもう一度抱き上げるな?」
「(お水がほしいです……)」
「鞄の中には必需品以外何もねぇよ?」
今日に限ってミネラルウォーターを持ってきていないことが非常に悔やまれる。
口直しをしたい。
再度横抱き――お姫様抱っこ――、をしていただいたけど羞恥心以上に、この口内に残る不快感を取り除きたいので正直今はそれどころではない。
せめて口を
暗い階段をアサシンが降りていく。
目蓋が重く、目を開けているのもやっとであった。
「眠いんだろマスター、寝ておけ」
「(まだ、口が気持ち悪い、です……)」
「あー……起きてられるか?」
「(絶対無理)」
「だろうな」
あとで濯いでやると言うけどどうやって濯いでくれるのか。
足は止めることなく降りるアサシンに問い質したいけど結局眠ってしまうのである。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
147人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時