ヒャクジュウゴ話 ページ19
「……辛い」
火を吹く程とはこのことか、と現実逃避をしたくなる程の辛さに私は直面していた。
アサシンは約束通り到着後起こしてくれて。
眠い目を擦りつつチップ込みの金額を支払って、タクシーを降りたのちに泰山へと入店。
そのままアサシンは激辛麻婆豆腐と御飯を頼み、私は八宝菜と御飯を頼んだ。
しばらく何気ない会話をしていれば注文の品が届いた。
なので私はフォークとナイフをいただいてから二人で食べるのだけど、怖いもの見たさというのか普通に食べるアサシンに美味しいのかもしれない、と私は思ってしまったのだ。
止めておけというアサシンの忠告を聞かずに一口いただいたけど、結果は想像以上の辛さだったという訳であり、涙目でサービスの水を一気に飲み干してもそれでも辛さは消えない。
「あー、だから止めておけって言ったんだ。大丈夫かA」
首を横に大きく振るう。
大丈夫な訳ない。
食した直後よりも今の方が口の中が刺激物の影響を受けてか、痛みさえ感じているのだから。
どうしてアサシンは平気そうな顔をして食べているのだろう。
サーヴァントは味覚も常人以上だというのだろうか。
「いや、物凄い辛いが食べられないことはねぇよ? それにAはどっちかっつーと甘党だろ? だから余計辛く感じるのじゃないか?」
アサシンはそう言うとそのまま自然な流れで店員を呼び杏仁豆腐を一つ頼まれた。
「とりあえず甘いもの食べて口直ししときな」
コクリと頷く。
早く来ないかなと八宝菜を食べるけど無味。
いや、味はあるのだろうけど味覚が機能していないのだろう。
あと温度があるためか食べたら舌が痛くなった。
そっとフォークをテーブルに戻した。
冷ましてから食べよう、でないと舌が痛い。
「お待たせしました、杏仁豆腐です」
少ししたのちに待望の杏仁豆腐がやってきた。
「?」
のだけど、何故か杏仁豆腐の上にシャーベットが乗ってあった。
店員を見ると口元に人差し指を当てていて。
そのまま去っていく店員の背中を見送っていればアサシンが美人は得だと言う。
私が美人かどうかは別だけどいただいたものは有り難く頂戴しよう。
スプーンでシャーベットを
「……味がしません」
「声が出るようになっただけでもいいんじゃね?」
絶対シャーベットも美味しいと思うのに。
悲しい気持ちのまま、味を感じない舌のままシャーベットも杏仁豆腐も食べ切ったのだった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時