ヒャクキュウ話 ページ13
既にイギリスから日本の冬木市に到着して一ヶ月近く。
ようやく全てのマスターと全てのサーヴァントが揃ったらしい。
「始まったなマスター」
「そうですね……」
夜、柳洞寺に続く階段に私は座り込みつつ、キャスターの指示通り門番としてアサシンと共に警備をしていれば、コトミネ教会の方から上がっている狼煙が見えたのだ。
とうとうこの日がやってきてしまった。
ずっと来なければいいと思っていた開幕の合図が現れてしまった。
準備はしてきたが、それでも色々と問題点はあるがままに第五次聖杯戦争に挑むことになってしまう。
「どうすんだマスター」
「今は様子見でいいと思います。眠気の問題もありますし」
変わらない異様な眠気は、日を重ねる毎に少しずつ私の生活リズムを崩していっている。
半日の睡眠は当たり前、酷ければ丸一日眠る時もある。
警備もあるため、丸一日寝ている場合は私を置いてアサシンだけ柳洞寺に行っているらしい。
キャスターに相談すればパスがどうのと言っていたけど私が頑なにそのことを否定したため、緩和剤のようなものをいただいたので少しは改善に向かっていると信じたい。
この柳洞寺の警備をしたあと必ず長い睡眠を取っているので、此処を離れる少し前に服用している。
「確かに、毎回毎回ここを出る度にお伽話の眠り姫みてぇに熟睡されてたら、いざ何かあったら守りにくいからな」
「すみません……」
「ま、臨機応変に行動しようぜマスター。流石に始まって初っ端から仕掛けてくるバカはいねぇだろうし」
「うーん、そこはなんとも」
過去の経験を思い返せばマスターによっては始まって早々に仕掛けていた、いやあれは演出だったのかどうか。
兄も次の日にランサーを市内一帯を練り歩かせていたから、正直そこは肯定できない。
「ひとまずは様子見です。後手に回る可能性が高いですが何処かの陣営が動き次第キャスター達と相談しましょう」
「おーけい」
四次との違いは、最初から協力者がいるかどうかの違いである。
私は聖杯が欲しいわけではないのでキャスターやMr.クズキが欲しいというのなら取得を辞退するつもりだ。
キャスター達がいる後ろの柳洞寺の方を一瞥して、それから気合いを入れるため軽く自分の頬を叩いた。
グレイちゃんからいただいた手袋をしているためそこまで痛くなく。
当初通り、あくまで命大事に作戦には変わりない。
私は必ず生きてイギリスに戻るのだから。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時