ヒャクニジュウサン話 ページ27
ココアを飲み干したのだけど逆に目が冴えてしまったらしい。
一向に眠気は訪れなくて本末転倒となってしまった。
冬木に来て、柳洞寺にいる時以外で初めてである。
悪夢の心配もあったけど眠たくないにならもう起きておくべきだと、少しばかり偏った考えを持った私は借り家の結界魔術の強化をしてしまったのである。
お陰で夕方に眠気が来訪してしまい、アサシンにだから眠っておけって言ったんだと苦言を言われてしまった。
「……面目、ないです」
ーーあー……まぁ、止めなかった俺にも責任はあるからさ、気にすんな。けど次はちゃんと寝ろよー？
「はい……。でもとりあえず、エナジードリンクを飲んで今晩は乗り切ります」
二十四時間営業のお店に寄って、青と赤のラベルのアルミ缶を三本購入。
一本はお店を出てから直ぐに飲み、残り二本は時間を空けて飲むつもりである。
多少は目が冴えた、はずなのでいつも通り柳洞寺の門番に向かった。
「つーか、別にマスターは家で寝てても良かったんじゃね？」
夜、時刻的には十一時ぐらいだろう。
はしたないけど地べたで階段に座り込み、星々の明かりをぼんやりとした思考のまま見上げていれば数段下の階段に立っていたアサシンが私にそう言う。
「いえ、そうはいきませんよアサシン。もう聖杯戦争は始まっているのですからいつ戦闘になるかわかりません。
「まぁ、マスターがいいのなら俺は気にないけど。辛かったら無茶するんなよ？」
「はい。ありがとうございます」
と言いつつ、買ってきたもう一本のアルミ缶を取り出してプルタブを引っ掛けて開ける。
柳洞寺に居ても今回は眠い。
流石に外で寝るのは危機管理能力が無さすぎるため寝たくても眠れない状況という、ある意味自分を追い込んで無理矢理起きておこうという考えでもある。
一気にアルミ缶の中身を飲み干せば何故か急に抗えない程の眠気が襲ってくるではないか。
「……」
エナジードリンクなのに何故？
どうにか目蓋を開けようと、起きておこうと目蓋を擦り頬を抓ったり手の平に爪を立てたりして抗ったけどまるで無駄な抵抗だという風に眠気は襲ってくる。
「マスター、誰かくるみてぇだ」
「……」
「？ マスター？」
振り返って私を見るアサシンの綺麗な顔を最後に、私は意識を混濁させてしまった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます！ お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (
レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです！いつも楽しみながら読んでいます！続編も頑張ってください！ (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます！ そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください！ (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2020年8月7日 20時
