ゴジュウナナ話 ページ10
身内から呼び出しをいただいたということにして、少し無理に不動産屋さんを後にした。
ーーどうするマスター。
「(どういたしましょう……)」
まさか此処で書類が必要になるだなんて思ってもみなかった。
それを考えると兄はどうやって十年前、あの時マンションを借りることが出来たのだろうか。
少し考えてみるけどわかるはずもなく。
国際電話で兄に連絡を取って書類等を用意してもらうかどうかと考えていれば、誰かに声を掛けられた。
「A……?」
「え?」
振り返るとそこにいたのは茶色いショートヘアーの高校生ぐらいの女の子だった。
どうして私のあだ名を知っているのだろう。
不審そうに見てしまえばその少女は慌てたように弁明をしてきた。
「あ、違ったか。すみません、十年前に友達になった海外の女の子とそっくりだったので、つい声をかけてしまった」
「……もしかして、タイガですか?」
「! やっぱりAだったんだ! 久し振り!!」
十年前という単語にもしかしてとタイガの名前を出せばどうやら本人だったらしい。
凄い偶然に思わず私も笑顔になる。
「久し振りですタイガ! 髪切られたのですね」
「うん、短い方が楽だからね。そういうAはちょっと伸びた?」
「いえ、伸びて短くしてまた伸びました」
「結局変わらないじゃん!」
予期しない再開だけどこれは凄く嬉しい。
アサシンに念話で知り合いかという問いに十年前に友達になったと念話で返した。
タイガは少し周囲を見渡すと一人かどうかと聞いてくる。
「えぇ、一人です」
「ディルさんと一緒じゃないの?」
「……」
尋ねてくるタイガに、思わず一瞬黙ってしまった。
十年前、タイガと会った日にはランサーもいたから彼女は私とランサーが一緒にいると思ったのだろう。
「彼は、遠くに行ってしまいまして……」
「……」
「だからもう会えないのです」
じっと私を見てくるタイガに話題を変えようとすれば先にタイガが口を開いてしまった。
「そっか、じゃあ同じなんだね」
「?」
「ううん、こっちの話。それよりも暫くこっちにいるの?」
「はい、いつ戻るかは明確にわかっていないのですがただ……」
「ただ?」
言い淀んでしまう。
まさか住むところがない、というのは流石に言えない。
やはり十年前に兄がしたようにホテルの一室を借りてということにしようか。
「ははーん。わかったよA。ホテルに泊まるお金ないんでしょ?」
「え? いえ、そういう訳では」
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。今作も拝読いただき本当にありがとうございます。そう言っていただげますと作者冥利に尽きます。非常に嬉しいです! (2020年5月27日 8時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 前作からずっと読ませて頂いております!ほんとにこの作品大好きです!!! (2020年5月27日 2時) (レス) id: c774d7b811 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - あおっしーさん» お返事遅くなり申し訳ありません。拝読いただきありがとうございます。応援凄く嬉しいです、ありがとうございます。 (2020年5月8日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
あおっしー - 追いつきましたー!個人的には鵺世と夢主ちゃんがくっついてほしいです!更新頑張ってください!待ってます! (2020年5月5日 21時) (レス) id: c4783174d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年2月27日 0時