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ロクジュウ話 ページ13

無事に足を崩す許可が下りたけど、足が痺れて暫く声にならない声を上げていた。

どうやらその間に誰かがきたらしく、お茶が置いてあった。

「態々正座しなくてもよかったのにー」
「あははは……」

貴女の祖父君のお顔が怖かったからとは決して言えない。

少し回復したため、お言葉に甘えて足を崩しながらお茶とお菓子をいただいた。

日本のグリーンティーとおまんじゅうと呼ばれるお菓子である。

御老人を交えて楽しくお茶会、意外と御老人が楽しいお方だった、していれば襖の向こうから男性が一人御老人に声をかけていた。

「出来たか」
「へい」
「あ、きたみたい」

襖を開けて入ってきたのはいかにもジャパニーズマフィアのような男性である。

男性は御老人に一枚の茶封筒をお渡しすると私とタイガに一礼してから部屋を出て行った。

律儀なお方である。

「Aと言ったか」
「はい」
「手筈は済んだ。ここから少し歩くが地図に印を打ってある」
「ありがとうございます」

御老人に差し出された茶封筒を受け取り、中を出した。

日本語で書かれている書類と、英語に書き直されている書類と地図が入ってあった。

どれどれと見てくるタイガに見えるように少し用紙を傾けてあげるとここかと納得されていた。

「確かにここからだと少し歩くわね。車いる?」
「いえ、そこまでしていただく必要はありませんよタイガ」
「そう? 本当に大丈夫? 本当に本当に大丈夫? A、迷いそうでお姉さん凄く心配」
「私の方がタイガよりお姉さんですから大丈夫です」

うるうるした目で私を見てくるタイガに引きつった笑みが出てくる。

そんな迷子になるようなことにはならない、はず。

ーーマスター、ここは素直に案内してもらったほうがいいとは俺は思うがな。
「(え、そこまで私は方向音痴ではないです)」

方向音痴ではない、はず。

少し不安要素はあるけど、地図もいただいたからたどり着けるはず。

二人に丁寧にお礼を言って、向かうといえばタイガが玄関まで見送りをしてくれた。

「なんだか心配だわ……」

タイガの中で私はいったいどういう設定なんだ。

「大丈夫ですよタイガ。何かあったら人に尋ねますので」
「それに折角再開できたからここでお別れっていうのは悲しいしー」

うーんと悩むと彼女は胸の前で両手を叩いた。

「そうよ、士郎の家で晩御飯一緒に食べましょ!」
「へ?」
「御近所さんなの。衛宮士郎っていって、すっごく美味しいご飯を作ってくれるんだ」

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翔べないペンギン(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。今作も拝読いただき本当にありがとうございます。そう言っていただげますと作者冥利に尽きます。非常に嬉しいです! (2020年5月27日 8時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 前作からずっと読ませて頂いております!ほんとにこの作品大好きです!!! (2020年5月27日 2時) (レス) id: c774d7b811 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - あおっしーさん» お返事遅くなり申し訳ありません。拝読いただきありがとうございます。応援凄く嬉しいです、ありがとうございます。 (2020年5月8日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
あおっしー - 追いつきましたー!個人的には鵺世と夢主ちゃんがくっついてほしいです!更新頑張ってください!待ってます! (2020年5月5日 21時) (レス) id: c4783174d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年2月27日 0時

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