ニジュウイチ話 ページ24
それはとある昼下がりのこと。
「納得できません。私一人では力不足だというのですか、ライネスちゃん」
「まさか！ 防御に関しては君レベルの魔術師を私は知らないさ！」
思わず食ってかかってしまう相手は私の姪に当たり、義理の妹にもなるライネスちゃん。
いつも通り彼女はソファーに座り、背後に
会話の内容以外は。
「なら、どうして」
「君は確かに防御に関してだけは英霊にも匹敵するが、本当に防御だけだ。それ以外は魔術師見習いもいいところな程弱い」
「ッ、ですが、それならその魔術礼装を使えば」
「もちろんトリムマウも同行するが、生憎私は君の亡き兄君のように完璧に
彼女から話された内容はイゼルマのパーティーに参加するというもの。
もちろん私もライネスちゃんが行くならば私も行くことになるのだけど、今回は私以外の同伴者も着いてくるという。
それがもし、彼であったならここまで取り乱しはしないし、仮に彼女以外のエルメロイ教室の誰かであれば気にせず協力すると思うけど。
「だとしても、何故彼女なのですかライネスちゃん」
フードの少女、グレイという名前の少女となれば話は変わってくる。
彼女の顔は正しく第四次聖杯戦争でセイバークラスで召喚されたアーサー王。
髪色が違うとはいえ造形は本当に本人がそこにいるかと思うほどそっくり。
別に彼女が憎いとかアーサー王が憎いとか、そういう話ではない。
ただ、彼女を見ているとあの悪魔を彷彿させてくるうえ、惨めで弱くて力のない過去の自身を突き付けられて悲しくてつらくて、泣き喚きたくなる。
「彼女は攻撃力に関しては非常に高くてね。君の盾と彼女の矛を携えれば私も安心してイゼルマの御披露目会とやらに参加できるのさ」
「……」
「おやおや、A嫉妬かい？ けど、君は盾としては優秀だがそれ以外まったくダメであることを、君自身が一番理解しているのではないかな？」
「……はい」
「ならば、君は私を護ることだけに専念してくれたらいい。何かあった時の迎撃はグレイに任せて構わない。適材適所ってやつだよ」
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2023年3月22日 1時
