橄欖の側にて咲く青薔薇の秘めた贖い (ページ17)

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ジュウゴ話ページ17

夕暮れ時。

彼の案内の元、やってきた場所はロンドン内にあるレストラン。

店内に入ればボーイによって案内された先は個室だった。

あの日、約一ヶ月前にした彼のお見舞い時に口約束をした内容を本日果たすことになる。

待ち人はいなく、私と彼の方が幾分か早く到着してしまったらしい。

白いテーブルクロスが掛けられたスクエアのテーブルが一つに座席の数は三つ。

ホストである彼が真ん中に座り、私は彼から見て左側に着席することになる。

レディーファーストと言わんばかりに席をすすめてきたため、お言葉に甘えてボーイの補助の元、着席。

彼もボーイの補助の元真ん中に座っていた。

一礼して去っていくボーイに二人してお礼を言って、小さく息を吐く。

「A」
「……、申し訳ありません、マナー違反でしたね」
「いや、気にしなくて良い。こちらも急の呼び出しに応じていただいた側だ、ロザリンド嬢の前でなければ気にはしない」

そうなのだ。

彼から連絡きたのは数時間前の、ライネスちゃんの仕事を手伝っていた最中のこと。

携帯電話がけたたましく鳴り、ライネスちゃんに断ってから出てみれば彼だった。

ひどく申し訳なさそうな口調でイスタリ家との会食を同席してほしいと伝えてきた時はうっかりと不機嫌そうな声を出してしまったことは後悔している。

事情を思い出し、ライネスちゃんに許可をもらってからクローゼットからオリエンタルブルーカラーのタイトドレスを取り出し、髪型を渋々ながらライネスちゃんの礼装の月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)であるトリムマウに頼んで結ってもらって急いで準備をし、約束の時刻に間に合わせた。

「……イスタリ家の少女は、どのような様子でしたか」
「おそらく塞ぎ込んでいるだろう。何度か私もコンタクトをとっていたがイスタリ家が阻んでいるのか、それともロザリンド嬢自身が拒んでいるのか。今回のこの会席も二週間前に提案していたものの回答が今日の昼間になって返ってきたため、慌てて君を呼んだんだ」
「そうだったのですか……。ですが、よく当日でここのレストランの予約が取れましたね。なかなか人気だと聞いてます」
「元々提案を投げ掛けた時点でに予約も同時にしていたからな」

もしイスタリ家の少女が反応しなかった場合どうするつもりだったのだろう。

気になるけどあえて聞かないでおく。

その後も軽く会話をして時間を潰す。