arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ28)

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「…はぁっ、」

「……おぉ、ごめん、疲れたよな、…横になってもええよ、」

呼吸が落ち着いたのを見計らってソファに横にさせれば、ぽろん、としげの目から涙が零れた。

「…かみちゃん、……ごめん、」

冷たく当たってごめん。

MCちゃんと聞いてなくてごめん。

結局、なんにも上手くいかへんかった。

大事な、大事なライブやったのに。

ポツリ、ポツリ、と零れていく言葉は、しげのココロの中でいっぱいいっぱいになっていたもの達で。

「……しーげ、」

まだまだ溢れてくる言葉を制して名前を呼べば、やっとしげと目が合った。

「しげは、今も、これからも、ひとりやない、7人なんやで？…やからさ、」

「……わかった、……分かったから、」

泣いてまうから、後で言って。

なんてポロポロ泣きながらそう言ったしげ。

「……泣いてるのに説得力無いんやけど〜？」

なんて戯ける俺の視界も何故だか潤んでいて。

「かみちゃーん、しげちゃーん、あと3で行けそう？」

タイミング良く聞こえてきた濵ちゃんの声に、ふたりで顔を見合せて笑う。

「「うん、いける！」」

Fin.