arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ25)

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「盛り上がれんのか〜？」

「「「「「「「俺ら次第や〜！」」」」」」」

円陣の時にたまたま隣だったしげの身体は、衣装の上からでもわかるくらい温かくて。

化粧でも隠せないくらい肌は青白い。

「……しーげ、」

わちゃわちゃと騒ぐメンバーから少し離れた場所で、何処かぼーっとしているしげに声を掛ければ、ん？なんてへらりと笑った。

「…どうしたん？」

「……ん〜、なんて言ったら良いのか分からへんけど、」

“なんか変な感じがすんねんな、”

自分の胸に手を当てて、曇った顔を見せるしげ。

「最近しげ忙しかったから、身体が追い付かなくなってんちゃう？」

「……そんなん、ただの言い訳やんか、」

「…………ぇ、」

“俺らにとっては何十公演の内の一公演やけど、ファンの人にとっては大切な一公演やんか。なのに、”

早口でそこまで言ったしげと目が合う。

あ、の形のまま口が止まって悲しそうに目を伏せた。

「…………とにかく、大丈夫、……迷惑は掛けへんから。」

気まずそうにパッと俺から離れたしげに、なんて声を掛ければいいか分からんくて。

結局、ライブが始まるまで話し掛ける事は出来なかった。