arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ24)

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緑 side～

「か〜みちゃん、おーはよっ！！」

「ぉわっ、……のんちゃん、げんきやなぁ、」

突然、後ろから肩を叩かれて驚きながら後ろを向けば、テンションの高いのんちゃんの姿が。

「そりゃあ、テンション高いやろ〜！」

“やって、今日初日やねんで？”

なんて言いながら俺を追い越して楽屋へ入っていくのんちゃん。

そう。

今日は、ライブの初日。

のんちゃんだけじゃなくて俺も、テンションはあがっているけれど、まだ朝だからまだ若干上がりきれてなくて。

「…ぁれ、しげ早いやん、おはよ、ぉ、」

のんちゃんの語尾が小さくなったのは、しげが居たから、では無く、しげがソファで眠っていたから。

ツアー初日でグループとしても忙しいのに、しげと来たら、個人仕事も忙しくって。

今だってソファで眠っているしげの手にはしっかりと台本が握られている。

「………っ、ぁ、…ぉはよぉ、」

のんちゃんの小声虚しく、目を覚ましたしげは、ふにゃりと笑顔を見せた。

「…しげ疲れてる？大丈夫なん？」

なんてのんちゃんが言ってまうくらいには疲れた表情で。

「…へ？………そう見える？」

何時もの不調を隠してるしげ、と言うよりは、本当に自分が疲れている表情をしているのに気がついていないみたいなリアクションで。

「…ぃや、大丈夫ならええんやけど、」

なんだかこっちが戸惑ってしまう。

「…よっしゃ、ちょっと、トイレ行ってくるなー？」

さっきまでふわふわしていたのはどこへやら。

ピシッと起き上がったしげはトイレへ向かう。

「…なんか、アイツおかしいな？」

“まあ、元々おかしいか、”

なんて言いながら自己解決したのんちゃんを横目に見ながら、しげへの違和感を拭えずにいた。