せんぱい１７：Aran ページ30
息を切らしながら、その建物を見上げる
門には『私立愛音高等学校』という表札が掲げてあった
俺は裏口にある、鉄の非常口の扉に手をかける
二年前の卒業式の日。Aが壊れてるのを見つけた
修理されてないか心配だったが、
どうやら壊れてることに学校側は気付いてないようで
ぎいぃ、と耳が痛くなるような音を立てて、扉は開く
土曜日夕方。部活でまだ学校に人がいるのか、昇降口の扉は開いていた
靴を脱ぎ、俺は校舎内を走る
心当たりある所なんて
あそこしかなかった
ガラッ
「 ......みーつけた」
「 ..あらん.. 」
図書室
窓際の、1番日当たりのいい場所に
愛しい彼女は座っていた
俺は、Aに歩み寄り
正面の椅子に、腰掛ける
「 ..なんで、分かったの」
「俺とお前の思い出の場所っていったら、ここじやん」
「 ..あれから、もう4年か」
4年前
試験に向けて、ここの席で勉強していた俺は
シャーペンの芯が無くなり、ため息をついた
その時
偶然か必然かは分からないけど、
どうぞ、とAが俺に自分のシャー芯を渡したのが始まり
一目惚れしたものの、
当時、俺から見てのAの印象は『正統派ギャル』というもので
なんでこんな子に一目惚れしたんだろう。と自分でも疑問だった
しかし、毎日、図書室の、ここの席に座って、お互いの事を知って
自分はなんてバカバカしい事を考えてたんだと後悔した
ギャルなんかじゃない
根はすっごく真面目で
家族や、自分以外の人間を一心に考える
心優しい子だった
「ごめん。さっきは言いすぎた」
「ううん..顕嵐は悪くない」
ぽん、と頭の上に手を置いて、撫でてやると
Aは腫れた目元から
また、大粒の涙をこぼし始めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔蘭@Jr垢(プロフ) - Tracyさん» コメント返信遅くなり申し訳ありません！いつも楽しみにして下さりありがとうございます！そんな通知も今日で最後となる、という感慨深さを持って頂けてますでしょうか(多分ない)ここまで読んでくださり、ありがとうございました！ (2017年5月6日 22時) (
レス) id: ba97804e3a (このIDを非表示/違反報告)
Tracy(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品大好きです！更新通知が来る度にテンション上がりますwwストーリーも顕嵐くんたちのキャラも大好きです！これからも頑張ってください！ (2017年4月15日 2時) (レス) id: 710ea565f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔蘭 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2016年11月12日 10時
