特別なフタリ (ページ3)

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私には姉がいる

美人で可憐で、高嶺の花って感じの、

男の子はみんな姉を見て息を止めるの

姉は性格も控えめで天然、そして眠そうなたれ目も影響してか幸薄顔だから手の出せない高嶺の花として学校では扱われてた

普通ならここで美人な姉に劣等感を抱いた双子の妹が嫉妬でおかしくなる、っていうのが物語の鉄板なんだろうけれど、
あいにくそんなことはなく、幸運にも私も容姿に恵まれた

幼いころは、運動もできてよく笑う私のほうが周りに人がいて、告白だって私のほうがされた自信がある

ごめんなさい。少し嘘ついた

姉に嫉妬しなかったなんて嘘
ついこの間、、中学卒業ぐらいまでは、身内である姉のことが大嫌いだった

冴が好きだったから

小学生は足が速くて、運動ができる子がどんなに顔がブスでも脚光をあびる
私もそんな光にだまされた女の一人で、
足が速くて、サッカーでたくさん賞を取ってる冴が大好きだった
中学に入って、冴がスペインに行っても想い続けた
冴ほどかっこいい男はいないって
クールだけど、それすらも利点に変えるほどにイイ顔してる冴を幼馴染に持つ私は、友達に自慢するほど、冴をブランドにしか見てなかったのかもしれない

大好きだったのに、冴のそばにはいつも姉がいて、
お互い口数が少ないのに、お互いを理解しあっている感じが羨ましくて
恨めないほどにお似合いの二人が腹立たしかった

恋って恐ろしいよね
他人のために身内を切り捨てられるんだもん
前にテレビで、恋愛してる最中の脳は犯罪者と同じ脳内をしてるって

怖いけど、理解できた自分がいて、小学校の純粋な自分に姉か冴、どっちが好きって聞いたら迷わず冴を選ぶ気がする

でもそれは過去の話
今は冴をきれいさっぱりあきらめて、新しい恋をしてる

まぁ相手が相手だからこれも叶う自信はないけどね

美人でかわいい双子を墜とした糸師家の遺伝子が怖くなる

けして印象は良くないのに、世の中やっぱり顔か？ってなるけど、それでも別にいいや

恋の始まりはどうであれ、冴には姉がいるように、あなたには私がいて欲しい

凜のトクベツになりたいの

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