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夏になると祭りで町がにぎわう
ルナとマナが祭りに行きたいって言ったから、ちょうど次の日に六本木で祭りがあるらしく、俺は二人を連れていった
年に数える程度しかない夏祭り、人混みがすごく迷子にならないように二人の手を握った
祭りで定番のりんご飴や綿あめ、マナがつけたいって駄々をこねたから今放送されてるアニメの仮面を買ってやった
おかげで財布の中身がすっからかんになったけど、祭りの雰囲気に俺もすっかり酔っていた
そんな時道が割れ始めていることに気づいた
割れてるっつーか人が押し寄せて左右によっている
慌てて左右につながれてる小さい手を強く握りしめ、三人で固まる
道の真ん中を通ってきたのは、不良
髪を染めたりとか校則を破ってばっかいるチンピラレベルでもなく、本物の不良だ
ファッションも自信もオーラも何もかもがしゃれてて、
そんな集団を引き連れて歩く二人の青年はもう別次元だった
自信に満ち溢れてて、まるで自分の庭かのように堂々と歩く
「・・・かっけ」
のちにその二人があの灰狂戦争を起こした灰谷兄弟だと知った
年も俺とそんなに離れているわけじゃないのに大人びてて、カリスマってあんな感じかと思った
別に灰谷兄弟のファンになったわけじゃねぇけど、、不良界隈に足を突っ込めば六本木を仕切る灰谷の噂なんて当たり前に情報が入ってくる
それくらいこの世界は上下関係がはっきりしていて、トップが絶対だからだ
ある時、信じられねぇことを聞いた
いやほんとに、笑ってそんなわけねぇだろって言いてぇくらい。つか言ったわ
俺らみたいな不良もんは、毎日喧嘩に明け暮れ、夜中に暴れまわって、族同士で抗争なって
病院送りだって当たり前だし、最悪、人が死ぬ
毎日警察沙汰が絶えない世界にいるからこそ表の連中には手を出すなという暗黙の了解がある
守る存在なんて、自分の家族か縄張りぐらい
女でこの世界にいる奴なんて、それこそレディースか夜の女くらいだったんだ
‘灰谷兄弟に女ができた‘
あいつらはやっぱりイカレテル
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作者名：茶々 | 作成日時：2022年10月18日 13時
