愛に溺れ。 (ページ9)

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(cn side)

「山田の友達？」

ずっと2人の手を見ていたら頭上からそんな声な聞こえて顔をあげる。

ym「……その………おさなな…じみ……」

「え！？お前幼馴染いたの！？
なんだよー！もっと早く言ってくれてもいいじゃんかーw

よろしくな！俺は有岡大貴！！」

cn「えっと、知念侑李です

よろしくお願いします」

ネクタイの色的に先輩だから一応敬語を使う。

それにしても……ふーん……そっか。

涼介、新しい恋人できたんだね。

普通に手を繋ぐのもちょっとおかしいけど恋人繋ぎなんて……。

有岡先輩か……優しそうだし顔もなかなか……。

僕は俯いてる涼介に近づいて耳元で久々に使うあの言葉を言う。

cn「ねぇ、有岡先輩……僕にちょうだい？」

別にそういう趣味がある訳じゃないけど……やっぱり涼介のだと欲しくなっちゃう。

今回も「いいよ」と言ってくれる。

そう思ってたのに、涼介からは予想外の言葉が返ってきた。

ym「……め…」

cn「ん？」

ym「ッ…だめ……大ちゃんは……だめ……」

cn「……は…？」

涼介は手を握る力が見ただけでわかるぐらい強くなっていた。

しかも「だめ」という言葉はすごく震えていた。

ar「山田……？どうした……？」

急に俯いてしまった涼介が心配になったのか有岡先輩は空いている方の手で涼介の頭を撫で始めた。

ym「な、んでもない……！大ちゃん、行こ……！」

ar「え、ちょ！！」

涼介は僕の目を見ることはなく、有岡先輩の手を引いて先へ進んでしまった。

cn「ふーん……」

いつもの恋人と何が違うか分からない。

けど、人って逃げられれば追いたくなる生き物。

だから、仕方ないよね。

涼介がその気なら本気で奪いにいくよ。

待っててね。有岡先輩。

覚悟しててね。涼介。