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( cn )
静かな家にひとりぼっち。
ソファに寝っ転がりながら右手の薬指に着けられている指輪を眺める。
付き合って2年記念日に貰った指輪。
同性婚は認められていないけど代わりに、と言って右手の薬指にお揃いの指輪を着けてもらった。
あれから3年間。
何か特別なことがない限り外したことがない。
「はぁ…」
ピンポーン
「あ、来た」
インターホンの音に反応して起き上がり玄関へ向かう。
ドアを開ければそこにいたのはのっぽイケメン。
「いらっしゃい、ゆーてぃ」
中島裕翔。通称ゆーてぃ。
高校の同級生で当時一番仲の良かった友達。
卒業してからお互いに忙しくて連絡を取り合ってなかったんだけど1年半前の同窓会で再会して再び話すようになった。
「じゃあ、いい?」
「…//うん」
寝室のベッドに優しく押し倒される。
察しのいい人なら何するかわかってるよね?
僕には大貴がいるのに…。
同窓会で久しぶりに会った時にお酒が入ったからか言ってしまったんだ。
『淋しい』と。
ゆーてぃは嫌な顔せずに相手になってくれた。
「ぁあッ…は、ん」
「何考えてたの?」
「べ、つに…っ、ぁ」
気づいたら事が進んでいて良いところを指で押された。
あまりの気持ちよさに大きな声が出てしまった。
「ぁ、ふく、だめ」
「…彼氏さんの?」
「……うん」
「キスは?」
「だめ」
「よっぽど好きなんだね」
そう。
こんなことしてるけど大貴の事嫌いになったわけじゃない。
好きだから指輪を外さない。
好きだから大貴の服を脱がない。
好きだからゆーてぃとキスしない。
好きだから…、ゆーてぃの気持ちに応えてあげない。
告白も何もされてないけどゆーてぃが僕のこと好きなのは知っている。
知っていながら利用している。
だって淋しいから。大貴に余裕ができて淋しくなくなったらゆーてぃとの関係はおしまい。
つまり都合のいい相手。
ごめんね、ゆーてぃ。
こんなクズで。
19:38______
有岡:ごめん!やっぱり今日は帰れなそう…まじごめん!
「……。」
「彼氏さんなんだって?」
「今日は帰れないって。いつも通り誰かの家で二次会だと思う」
「そっか。…じゃあ泊まっていい?」
「…………うん」
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作者名:ArYm0129 | 作成日時:2022年9月15日 17時