クズとクズ【ar × cn 、cn × yt 、ar × ym】 ページ40
( cn )
「ぁ、。そろそろ時間か…」
「ん？あーそうだな」
時計を見れば6:48。
同棲している大貴が仕事に行く時間ちょい前。
ソファから立ち上がり鞄を持って2人で玄関に向かう。
「お見送りありがとう」
「別に…。あ、ネクタイずれてる」
大貴の首元に不格好につけられているネクタイ。
いつか僕がプレゼントしたやつ。特に記念日でもなんでもなかったけど似合いそうなのを見つけたから買ってみた。
他にもいろいろ持っているはずなのに高頻度で使ってくれている。
その事実にニヤけてしまう。
ニヤけを隠しながら手早くネクタイをキュッと結び直してあげる。
「ありがとう」
「本当にネクタイ結ぶの下手だよねー。僕がいなきゃダメなんだから」
微笑みながらお礼を言われたことに照れてしまい、それを隠すために変なことを言ってしまった。
それにも笑ってくれてその顔にまた照れる。
いつもこの無限ループ。
そろそろ慣れたいけど無理なものは無理。
「あ、あーそうだ」
「ん？」
「今日、飲みに行くかも」
「そっ、か…」
「んな顔すんなって。まだ確定したわけじゃねぇんだから」
「…大貴が好かれてんのは知ってるけど…それでも淋しいんだもん」
こう言って困らせてしまうのはわかってる。
仕事が忙しいのも会社の人との関係性を築いていかなきゃいけないのもわかってる。
それでも…淋しいんだから仕方がない。
「家にいる時間もうちょっと増やせるように交渉してみるな」
「ん、ありがと」
「行ってきます」
ちゅっ…と唇に触れるだけのキスをして家から出ていく大貴。
いつものルーティーンだけどいまだに慣れなくて顔が熱くなる。
顔の熱を冷ましながらリビングへ向かう。
机の上に置きっぱだったスマホを手にしメッセージアプリを開く。
侑李：行ったよ
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作者名：ArYm0129 | 作成日時：2022年9月15日 17時
