愛に溺れ。 (ページ39)

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( ar )

涼「そんなのスリルが楽しいに決まってんじゃん。
恋人がいる人に近づいて相手が自分に惚れてく快感。
本当の彼女さんとか彼氏さんにバレたらどうしよう、殺されちゃうかなって」

大「……へー」

涼「でも、相手が別れちゃったら冷めるよねー」

大「……そうなんだ」

随分とスラスラと話してくれる。
まるでその気持ちがわかるみたいな。

大「…そういえばね、俺の友達の伊野ちゃんがさ彼女できたらしいよ」

涼「……へー、そうなんだ。伊野ちゃんって伊野尾くんのこと？」

大「うん、あいつ。よく惚気聞かされちゃってさー」

涼「ふーん。ベタ惚れなんだ。へー」

隠す気ないよね。そのニヤついた顔。

次のターゲットを見つけたみたいだね。

それからというものの、山田はよくうちのクラスに来ては俺を挟んで伊野ちゃんと話すようになった。

そして数週間後。
あの時のカフェでカップルメニューを頼む2人の姿が。

あの噂は本当みたいだね。
確信しちゃったよ。

““山田涼介はパートナーがいる人を好きになる””

…………。

俺の長年の片想いはなんだったんだよ。
ずっとずっとアピールし続けたのは無駄なんだって否定された気分。

、、実際否定されてるも同然。

ずーっと片想いで恋人もつくらないでいたのに。

大「あれ？今日は山田来ないのかな？」

慧「それがねー聞いてよだいちゃーん！
俺が彼女と別れたって言ったらそこから連絡一切してくれないの！」

大「えー、なんでだろうね」

きっと、次のターゲット探してるんだろうね。

「ぁ、」

大「これくれたのって君かな？」

「は、はい、読んでくれたんですね…！
僕、知念侑李って言います……！」

なぁ、山田。
知らないかもしれないから教えてあげる。

俺って結構モテるんだよ？

侑「その…先輩のことずっと気になってて……付き合ってくれませんか…？」

だからね山田。
次のターゲットは、

大「うん、よろしくね。知念くん」

俺にしなよ＿＿。