愛に溺れ。 (ページ35)

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背中の傷【ar × ym】ページ35

( ym )

最近気になることがある。

ar「やまだー、上がったぞー」

ym「だっ、から！その格好で歩き回らないでよ！」

ar「はいはーい」

ym「もう……」

頭をタオルで乱雑に拭きながら上半身はだからで洗面所から出てきた大ちゃん。
横をそそくさと通り過ぎて俺も洗面所へ向かう。

入る直前でチラッと大ちゃんの方を向けばいまだ裸の背中姿。
その背中には割と感覚の空いた三本線の傷がだいたい左右対称にある。

あれはなんだろうか……。

これが最近俺の気になっていること。

ym「熊……なわけないし……」

1人浴室で考える。

あれはなんなのか。
どうやってついた傷なのか。

どんなに考えても答えに辿り着かない。

ym「んー………… ぁ」

お風呂のお湯を使って顔を擦っている時。
ある一つの考えが頭の中に浮かんだ。

ym「ぁーー…………ｯ///」

段々と体が熱くなるのがわかる。
このままじゃ逆上せてしまう、と考えお風呂から上がる。

その日は大ちゃんと顔を合わせられなかった。

ar「ん？山田なんで急に爪切り出したの？」

ym「ぃ、や〜？別に〜？」

ar「そう？」

それから俺はよく爪を切るようになった。