愛に溺れ。 (ページ26)

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世界一のお姫様　【ar × cn】ページ26

( cn )

「知念おはよ！みんなもおはよ！」

……合格

「知念、ほい水。疲れてるだろ？」

……合格

「お、伊野ちゃんセンター分け！可愛い！」

……不合格

僕の目の前で僕以外の人を褒めるの？僕以外の変化に気が付くの？
シャンプー変えたって自分から言わないとダメ？

僕が大貴の中で一番のお姫様じゃないと気が済まないんですけど。

「…大貴。わかんないの？」

「え？…あー…ごめん！もしかして、シャンプー…？」

「そうですけど」

「いい匂いだね。さすがお姫様」

……あっさり僕の不機嫌直しちゃって。

だったら最初から気付いてよって話だけど。

「やっまだー、今日のペアよろしくな！」

「久しぶりだねー、楽しみー」

「お、素直！かわいーなー！」

…僕がいるんだから僕と話そうよ。
せっかく“知念の隣”っていう特等席が空いてるんだよ。来ないの？

てか、なんでさっきから他の人に可愛いって言ってんの？
楽屋に入って僕には一度も伝えてくれてないよね。

たしかに、伊野ちゃんも涼介も可愛いけどさ…。

……大貴は2人みたいな人の方がいいの？

大貴のバカ。…涼介との会話もやめないし。

「僕以外を見る大貴なんて嫌いだもん…」

ソファで膝を抱えながら呟くと後ろからギュッと抱きしめられた。

「ちょっ、」

「山田、また撮影の時ね。可愛い可愛いお姫様を待たせちゃってるから」

「はーい」

耳元で聴こえる大好きなちょっと低い優しい声。

あ、…落ち着く。

「俺、知念の事しか見てないんだけどなー」

…って……。

「…ね、今日撮影が終わったら俺の家、来るでしょ？」

そうやって僕の事全て分かってるみたいな聞き方。
嫌いじゃない。

「行く…」

「おう！」

これからも僕は大貴だけのお姫様でいるつもりなんだから。
しっかり僕の事だけを見ててよね。