愛に溺れ。 (ページ12)

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「いらない漫画とか捨てなさいよー？」

「いらない漫画なんてねぇよ！！」

大ちゃんと知念が付き合ってる事が発覚してからおよそ3ヶ月。

あの2人は順調にいってんのかなぁ……。

なーんて、考えながら自分の心臓を痛めつける。
そう……。俺はあの時からも大ちゃんを諦めきれずずっと好きでいる。長年の片思い、なめんなよ。

そして今は母さんの友達が泊まりに来るからという理由で家中を大掃除している。

んで、絶対に関係ないだろう俺の部屋まで母さんが侵入してきて勝手に掃除されている。

「ほらぁ、ずっと読んでなくてこんなに埃被ってるじゃない！捨てるわよ！」

「まてまてまて！捨てるな！！漫画とゲーム関連のものには指一本触れるな！！」

たしかに最近はゲームばっかりで漫画読んでなかったなぁ……。
最後に読んだのは……あぁ、大ちゃんに貸した時か。
なっつかしぃ……

「あら？なぁに、これ」

「だぁから！指一本触れるなっ……て……え、何それ」

俺の言葉を一切聞かずに本棚から漫画を出している母さんの手にはあの時大ちゃんに貸した“画面の中の苦労人”というゲームの中に転生してしまった主人公がモブとして活躍するお話の漫画の1巻。

そしてだいたい真ん中のページに挟まっていた白い封筒。
形的に手紙かな？

「ちょ、それ貸して」

母さんが持つ漫画の中から封筒だけを取って中を開けて見る。

すると予想通り手紙のようで文字がずらりと並んでいた。

「っ！？」

その内容を読んで鼻の奥がツン……となるのを感じた。