精霊魔法師の狂気 ページ7
『･･････何故、ですか。えーっと、僕は初めて会った方を見た目だけで怖がってはいけないと思っているんです。人の姿であろうとなかろうと、どうだっていいです。見た目で性格や人望は推し量れませんから』
em「人間にしては変わった考えをお持ちなのですね。」
『まあ、変わり者なのは認めますよ。職場でもよく言われましたから』
zm「･･････なあ、あんさんは俺ら魔族をどう思うん？死んでいいと思おとるん？」
彼の質問で目の前の言い合いが止まり、周りの視線が一気に僕に向く。
〈･･････何も思わん。俺が知る言葉に「世の掟は所詮弱肉強食。弱い者は淘汰される。死にゆく民は弱かったということだ。」というものがある。俺の世界はそうじゃなかったが、ここはどうだろうか。完全に弱肉強食の世界そのもの。君らに死んで欲しいなんて思わない。いつか皆死ぬんだ、どうだっていいね。ただ俺は他人の血と恐怖が見たいだけだ〉
これは僕がある時から心の中に隠してた狂気と憎悪、妬み、僻みなどの負の攻撃性のある感情。血に、人から向けられる恐怖の目に、魅入られた僕じゃない僕。その本性は醜いものだ。
tn「神様もヤバい奴を慈しむんやな」
『･･････あぁ、すみません。〈俺〉が出てきちゃったみたいですね』
zm「〈俺〉ってどういうことや。」
『詳しくは言えません。ただ、言えることは〈彼〉は僕の中の狂気と憎悪、妬み、僻みなどの負の攻撃感情です。あの時、僕という人格から切り離した感情の人格の１つです。喜怒哀楽で言うところの〈怒〉ですね。あ、でも、僕は多重人格というわけではありません。あれは僕が必要ないと思った感情を人格と呼んで、心の中に抑え込んでいるだけの代物です』
em「人格の１つということはまだいるということですか？」
『はい。あと３人いますよ。危険性は皆無ですよ。あの子達は喜怒哀楽で言うところの【喜】と［哀］と《楽》ですから』
gr「その話はもういいだろう。それで、やよをどうするかだが･･････」
tn「置いといてええんちゃう」
gr「トン氏がそれを言うとは」
『あの、そう言えば思ったんですけど。ここに来る前にアクアマリンのお兄さんが「名前は教えられない」って言ってたので、何故なのかなと思いまして』
gr「ふむ。我々はある契約を仲間内でしていてな。契約者からフルネームを教えるのは名前を伝えた者をその契約に追加するということだ」
【喜】〈怒〉［哀］《楽》の設定→←魔王と対面！？１３人の魔王軍幹部
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作者名：アクネット | 作成日時：2023年1月29日 0時
