エピソード２〜荒野の反逆者〜 ４話 ページ16
「魔法石は魔法の発現を助けてくれるだけでなくブロットが直接術者の身体に蓄積されないようある程度肩代わりもしてくれる素敵なアイテムなのです。｣
｢なるほど。つまり魔法石が曇ってきたら身体を休めろ、ってことですね。｣
｢正解です。よく食べ、よく眠ることで大抵のブロットは解消されますから。｣
｢なーんだ！！じゃあオレ様が大魔法師になって、どでかい魔法をバンバン使えるようになっても安心なんだゾ！いつもよく食べてよく寝てるし。｣
『いや、グリムは食べ過ぎ寝過ぎのツーコンボ。』
｢魔力量は人によって千差万別ですがごく一部の例外を除いて、ブロットの許容量にそれほど大きな差はありません。｣
｢どういうことなんだゾ？｣
｢つまりローズハートくんのように魔力量が多い人ほどブロットの蓄積には細心の注意を払わなければならない。ということです。｣
｢たくさん使えるからって考えなしにバカスカ魔法をぶっ放しまくればあっという間にブロットが溜まっちゃうってことか。｣
｢まあその点、君たち程度の魔力量ならそれほど気を遣わずとも大丈夫だと思いますが。良かったですね！｣
｢なんか素直に喜びづらいんスけど！？そのセリフ！｣
｢魔法の使いすぎで魔法石が真っ黒になるとみんなこないだのリドルに闇落ちバーカーサーになっちまうのか？でっけー魔神みたいなも出て怖かったんだゾ。｣
｢ブロットの蓄積量は魔法士自身の精神状態に大きく影響します。怒り、哀しみ、恐怖、混乱･･････そういった負のエネルギーを抱えているとブロットが非常に溜まりやすくオーバーブロットを引き起こしやすくなります。｣
｢負のエネルギー･･････｣
｢暴走状態のローズハートくんの背後に現れた巨大な影。あれは負のエネルギーとブロットが融合して現れる化身だと言われていますが･･････実際のところ、詳しいことはわかっていません。オーバーブロットについては未知数なことが多い。なにせ事例がそう多くはありませんから。｣
｢事例が多くてたまるかっつーの。あんなの二度とゴメンだわ。｣
『つーことは、僕の能力のこともよくわからないし、説明がつかないってことですか。』
｢そうです。ブロットが未知数ということは紫蓮くんの能力もまた未知数。オーバーブロットもローズハートくんは幸いにもその場で正気に戻すことができましたが、もしあのままだったら･･････’あぁーーっ!考えたくない!恐ろしい!’｣
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作者名：アクネット | 作成日時：2022年6月9日 10時
