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漆拾漆 ページ40

貴方Side









向かっている場所はただ一つ。





でも、簡単には通してくれない様だ。









今、一番会いたくなくて、







一番戦いたくない、






『悪魔呪...久しぶり。

あのときは...助かったよ。』




悪魔「そうかい!それはよかったよー。


で、どこに向かってるんだい?場所によっては、通すわけにはいかないんだよー。」





知ってる。



わかってる。







正直。


戦いたくない。







だめ、押し殺さなきゃ。


この感情を、抑えなきゃ。








だが、止められなかった。



言葉は既に、あいつの脳の中に通ってしまった。




『私と戦えるの?

どう思ってるの?』



ずっと、聞きたくて、聞きたくて。







でも、怖くて。

聞けなかった質問。







こんな状況で言った自分もおかしい。




「んー、そうだね。

正直、君とは戦いたくないよ。強いもん。



でもね、君がいれば、僕たちが救われるかもしれない。

だから、僕は君を奪う。






僕ら、”鬼”の為にね。」





あーあ、聞いちゃった。

本音。






今、私の頭の中はどうなってるかな。




あぁ、昔の思い出が、蘇ってる。







あの日、




あの場所で、





あなたに出会ったときのことを。




____________





あの日は、雨で。




頼れる人はいなくて、





何しようって、






生きてる意味は何だろうって、




探して、




考えてる時。






私の目の前に現れたのは、紛れもなく君だった。





そっと私の手を取って、頭を撫でて、抱きしめた。



もう意味のないと思っていた自分の存在は、



彼の、彼らの助けになっていた。






そう勝手に解釈してしまって、



自分を忘れた。







「鬼に必要な存在。


鬼の為の私。」







どうせ裏切られる。








そんなことわかってた。



わかってたんだけど、わかんなかった。





誰かをいつも求めていて、



追いかけていて、




救ってくれたあの手を離したくなくて。







ただひたすら走り続けていたこの足は。







真実を知って、鬼の本音を知って、



___________




止まっていた。








いつまでも走り続けていた、追いかけていたこの足は、手は、






枝分かれする為に、





この私の人生を変えるた為に、






忘れた、鬼を嫌っていた、自分を思い出す為に、







動きを止めて、



また、新たな方向へ走り始めた。

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・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 作者のボードに乗せてくれると嬉しいです!あ、そろそろ鬼との話書かなきゃなーって思ってましたw 書かなきゃ(´;ω;`) (2020年5月3日 11時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - あのイラスト描いたんですけどどこに貼ればいいのですか?とりあえず作品作るので見てくれるとありがたいです! (2020年5月2日 23時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - 鬼と仲良い話そんなに出てこなくて忘れかけてました!自分と仲のいい鬼に殺されそうになったら嫌ですね! (2020年5月2日 22時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 私も好き!ありがとう(´;ω;`) (2020年4月28日 12時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - ・小豆・さん» 面白かったです!更新ガンバッテクダサイ!小豆さん好き! (2020年4月28日 10時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:・小豆・ | 作成日時:2020年4月26日 7時

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