【d!】ラノベのように、甘くはない Ⅳ (ページ2)

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「変な能力のせいで冥香は大戦争でほとんど被害が出とらんかったよな、それを打破する算段はあるん？」
シャオロンが軍帽をくるくると回しながら聞く。

「シャオちゃん、国を破壊しに行くんとちゃうんやから、そんな物騒な考えやめへん？」

大先生が少し慌てる様に言う。確かに今回は宣戦布告をされたわけでもなければ、領土拡張をするためでもなく、軍事国家への数々の暴言や新たな宗教的教えを広めていることなどをねじ伏せるため、力で解決しようとしている。

「確かに被害は最小限に抑えたい。だが大先生、軍事国家を毛嫌うのは国民たちが誰から影響を受けたからやろか。」

「そんなん国王に決まっとるや...ろ、あ。」

グルッペンの的確な質問により今回の重要任務に気付いた大先生。

「国王が変わらないと国民も変わらん。あいつら的に情報の漏れたこの国を生かしておくわけにもいかんやろうし、かと言って国王が尻尾出すとも思えない。せやろ？ゾム。っちゅうことは、」

「国の中枢壊して降伏させたんねん。楽しみやなシッマ！」

「せやな！俺も絶対混ぜな即妨害するわ！」

「いやシャオロンwwwあーはっはっはーっはっははｗｗｗ」
コネシマのけたたましい笑い声が部屋に響く。

やる気に満ち溢れる幹部のこの雰囲気に驚くリアムを横に、話はどんどん進んでいった。諜報員から吐かせることができた情報は主に二つ。自ら死を選び舌を噛み千切ったためにその二つ以外の情報は何も得られなかった。

話は遡ること侵入者を捕らえた日_。

捕らえた三人のうち二人は既にこの世を去った。

「我々の目的は...この国の、っ...機密情報を得ることだ。現国王テアリス・ハデス様の名の下に...これ以上の情報は一切口にすることを禁じられている...！」

「そうみたいやなぁ、隣の二人とおんなじことしか言うてへんし。早う吐けば楽になるのに、哀れやなほんま。」

残りの一人と話しているのはトントン。他二人が死んだことを伝えても微動だにせず話すことは先程から同じこと。ちなみにゾムとロボロがその二人をそれぞれ取り調べていた。かまかけも何もかも通じない三人に、トントン達はいい加減腹が立ってきている。