鬼に気を許す私は、鬼殺隊にいる資格はないのでしょうか？【鬼滅の刃】

参拾壱 ページ36

時透Side




僕は、みんながいる場で謝りたくなかった。


その、なんか、謝るのが嫌なんじゃなくてさ。

あの子にだけ話したいことがあったから。



なんだか、懐かしい。


僕は何でも忘れちゃうから、

名前も忘れちゃう。




？「ねぇ、今話せる？」


隣にいた子にはちょっと申し訳ないけど。←悪い子ってこと忘れとるｗ


『何の用ですか？』



答えてくれたのが、なんだか嬉しかった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『で、なんですか？』

僕が言いたかったこと、それは。


「ごめんなさい。」


なんでかわからなかったけど、何故かこの事件、彼女が傷ついてることは覚えていた。

味方できないことを後悔していた。


でも、予想外の答えが返って来た。


『何に対して貴方は謝ってるんですか？

貴方、何も私に言ってこなかったですよね。』


答えは、ある。


「君に、味方できなかったこと。かな。

多分。」


『っ。』


「僕ね、忘れやすい性格なんだ。

だから、君の名前なんて覚えてないし、今回どんな事件が起きてるかなんて正直気にしてなかった。しかも、すぐ忘れる僕がいたら邪魔でしょう？

でも、なぜか君が”懐かしいんだ”。」


『邪魔じゃないけれど...あ。

じゃあ、時透君は.....昔を覚えてないの？』


え、そうだけど。

なんでそんなこと聞くんだろう。


「いや、そうだけど。」


『......そっか。

ごめんなさい。私気分が悪いから、帰らせてもらう。』


え、まぁ、言うことは済んだからいいんだけど....



なんであんなに悲しそうにしてたんだろう。


まぁいっか。



どうせ僕はこの会話をしていたことも忘れちゃうし。




別に気にしてないけど。





なんでだろう、



なんでこんなに彼女が懐かしく感じるの？

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