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「はぁ、よかった」
夜叉の少年を寝具に下ろしたまでは良いものの、途中から彼が唸り出して、苦しそうだった。
そこで僕は、昔帝君から教わった気持ちよく寝れる方法を試したのだ。
効果あったのか、唸っていた彼の表情は変わり、今はぐっすりと寝ている。
「休めって言われてもな､､､､」
何をすれば良いのか全く分からん。
とりあえず僕は、本棚からしおりを挟んであった本を取り出す。
そして、少年の近くにあった椅子に座り、本を読む。
本を読んだまま何十分なったのか分からないが、結構な時間が経った。
読みかけの本も最終場面に差し掛かった時、少年が目を覚ました。
「おはよう、少年。気分はどう？」
「気分は、以前よりは良い気がする」
「そう、それはよかった。僕は朧、そしてここは僕の家。君、名前は？」
僕がそう聞くと、夜叉の少年は黙ってしまい、気まずい雰囲気になってしまった。
彼は敵に真名を知られ、囚われていたから言いたくないんだった､､､､。
そこに救世主、帝君現る。
少年の具合を見にきたのか、彼の様子を見てホッとした。
「ふむ、そうだな、名がないと不便だろう。今日からお前は魈だ。異邦の伝説で、魈というのは数多の苦難や試練を経験した鬼怪という意味だ。お前はまさにそのようである。今後、その名を使うと良い」
「魈､､､､！」
夜叉の少年、もとい魈はキラキラを目を輝かせ、自分の名を頭に刻んだ。
まるで、初めて月を見た動物に重ね、僕はふふふ、と微笑んだ。
「それでは魈の世話は頼んだぞ、朧」
「御意に」
ちょっっっと待てよ？今帝君、爆弾落としていかなかったか？？
『魈の世話は頼んだぞ』
反射的に御意と言ってしまった､､､､！
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作者名：ピンポンパール | 作成日時：2024年2月22日 19時
