降魔大聖の師匠 (ページ3)

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彼が向かった先は山。モラクスの拠点は山の中にあった。小さい寺のようである。

モラクスは縁側に子供を抱えながら座り、彼女をどうするか考え始めた。

「あの者たちにはああは言ったが、ふむ､､､､どうするべきか」

その時、彼の腕の中にいた子供は目を覚まし、キョロキョロとあたりを見回した。

自分が元いた場所では無くなって動揺している。

「む、起きたのか、俺はモラクス。お前の名は？」

子供はフルフルと首を振り、自分に名はないとモラクスに伝える。

彼はそのことを読み取ったのか、子供の名を考え始めた。

「そうだな､､､､お前は朧、月の龍と書いて朧だ。俺がちょうどお前を見つけた日は月が光り輝いていたからな。それとお前は龍と人間の混血だからこの名にした」

気に入ってくれたか？と子供改め、朧に聞くと彼女はうんとでも言いそうに、微笑んだ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

帝君に名を与えられ、早十年が経った。

僕はなぜかあった氷の神の目を手の甲に腕輪のように固定し、弓の練習に打ち込んでいた。

なぜ弓だと言うと帝君曰く、弓の方が安全だから。

何が安全なのか全く分からないが、とにかく僕を前線には立たせたくないらしい。

なので、僕はよく遠距離で敵を倒したりしている。

「えっと、帝君に頼まれたものは､､､､」

先ほど帝君にお会いした時、お使いを頼まれたのだ。

僕は帝君との会話を鮮明に思い出そうとして、眉間に皺を寄せた。

確か＿＿＿＿＿

＿て、帝君！？言ってくだされば、お迎えに上がりましたのに､､､､＿

＿その気持ちはありがたいが、俺は散歩ついでに寄っただけだ。朧、最近の調子はどうだ？＿

＿最近は弓の腕を磨いておりまして。これからも、帝君のお役に立てれば幸いです＿

＿いつも世話になる。そこで、お前に頼みたいことがある＿

＿帝君のお役に立てるのならば、幾らでも！＿

帝君はふふと微笑み、僕にお使いという名の魔物の殲滅を頼んだ。

僕に頼むなんてよっぽどのことなんだな、と思いながら帝君に渡された地図を広げた。

地図には山の盆地付近に、魔物の巣がある場所に赤いばつ印が付けられている。

そして僕は地図をしまい、魔物の巣がある盆地へと向かった。