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有「え、じゃあちょっと待って、全部でいくらかな…」
有岡くんは本当に払おうとしているのか、値段を確認し始めた。
「いいって、自分で買うから」
有「いや!俺が勧めたんだし俺が買うから!」
「…お金持ってる?」
有「…えーと、ほら、そこら辺にATMあったから下ろしてくる!」
やっぱり全額分は持っていなかったらしい。わざわざ引き出してもらうのは申し訳ない。
「そんなことさせる訳にはいかないから…」
有「何言ってんの!それ彼氏側のセリフでしょ!」
一向に折れようとしないので、また違う提案をすることにした。
「じゃあ、半分は払うよ」
有「…は、半分?」
「そ、それなら足りるし2人で払ったことになるからいいでしょ?」
有「確かに…」
有岡くんはその後もうーん、とかえーでもな、とか言いながら悩んだ挙句、手を合わせてこちらを見た。
有「…それでお願いしてもいいですか?」
「もちろん、払ってくれるだけで嬉しいよ」
申し訳なさそうな顔をしているけど、実際私が着る服だし有岡くんに払う義務はないから、こっちが感謝したい。
「これ、今度会う時に着るね」
レジで大きな紙袋を貰ったあと、有岡くんが持ってくれると言うので有難く持ってもらった。
有「ありがとう!楽しみにしてるね!」
好きな服を見れたし、当初の目的を達成出来たことが嬉しいのか、有岡くんは良い笑顔だった。
その後もいくつか服を見て回ったけど、有岡くんは結局1着も買わなかった。こうなると本当に申し訳ない。何か出来ることはないかな…
有「…ねぇ、そろそろおやつにしない?ここ美味しそう!」
横を歩いていた有岡くんが突然立ち止まって言った。立ち止まった店は色々なケーキを売っている店で、中にはイートイン席もあるみたいだった。
ショーケースに並んでいるケーキはどれもフルーツがたくさん乗っていて、確かに美味しそう。
「いいよ、食べよっか」
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こんにちは。作者のあんずです。
今日はクリスマスですね。クリスマスの話なのに。
言い訳をすると、クリスマス前の週がたてこんでまして、気づけば当日みたいな感じです。
しかも延々と書きすぎて、まさかのお話がいっぱい状態になりました。
というわけで番外編にも関わらず続編に移行します。
最後までお楽しみください。
あんず
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作者名:あんず | 作成日時:2018年6月3日 17時