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中「あ、そうだ、A先輩!」
「ん?どうしたの?」
中「今度の日曜日って空いてますか?」
「え?…多分空いてるけど、何で?」
中「ドラム教えてくれませんか?僕の家で」
すると横からブフォッという音とむせる音が。慌ててそちらを見ると、有岡くんがご飯を詰まらせていた。一生懸命お茶で流している。
「…中島くんの家で?」
中「そうです、僕の家に電子ドラムあるんで、それを使って教えてほしいなって」
そういう事ね…まあ断る理由もないし、そもそも彼と話すようになったのもドラムを教えるためだし、いっか。
「いいよ、じゃあ日曜どうすればいい…」
有「ちょっと待ってよ!本当に行くの?!」
私が細かい予定を決めようとすると、どうにか平静を取り戻した有岡くんが秒速でつっこんてきた。
「え…だって教えてほしいって言ってるし…」
中「そうですよ、何か文句あるんですか?」
有「いや、だって…急に男の家行くってどうなんだよ…」
中「しょうがないじゃないですか、ドラムあるところなんてそうそうないし。それか、僕がA先輩の家に行ってもいいんですけどね」
有「それは一番ダメ!」
中「じゃあいいですよね、僕の家呼んでも…って、有岡先輩に許可とる必要もないのか」
有「…っ!てめぇ〜!」
何だかよく分からないけど非常にバチバチしだした。
「2人とも…1回落ち着こう?ね?」
有「Aちゃんは黙ってて!」中「先輩は黙っててください!」
何で2人から怒鳴られなければいけないのか。全く理由が分からないけど、とりあえず口を挟めそうにないので黙っておく。
キーンコーンカーンコーン…
有「ほら!予鈴鳴ったから帰れ!」
中「残念、もっとA先輩と話したかったのに。じゃあ詳しいことは後でLINEしますね!」
そう言うと中島くんは爽やかな笑顔で立ち去った。有岡くんは相変わらずものすごい形相で彼の立ち去った方を見ている。
八「Aちゃん、毎日お疲れ…」
一部始終を見ていたのか、後ろから八乙女くんが私の肩を叩いて静かに去っていった。
…八乙女くんの言う通り、本当に疲れる。
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作者名:あんず | 作成日時:2018年6月3日 17時