第74話 再会 ページ26
「――― A、」
「ん？」
オビに名前を呼ばれたAは、手を止めてオビへと振り返る。
だが、オビは何故か驚いた顔をしていた。
「……あー…、お嬢さんと、今日俺の馬に乗ってく？」
「…王都まで？」
「何変なこと言ってるの…」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
――― タンバルン王都 到着
「おー、やーっと着いたね」
「うわー…久しぶりだ」
白雪は馬車の窓から顔を出して頬を緩ませる。
「故郷は嬉しいよね。綺麗な街だなぁ…」
Aもタンバルンの景色を見つめ、白雪の嬉しそうな顔を見て笑った。
(嬉しい ――― とはいえ…)
王都に到着してから、王城シェナザードまではあっという間だった。
白雪たちが来るということで、王城はわずかに騒がしい雰囲気がしている。
「お待ち致しておりました、白雪どの」
そう言ってまず迎えたのは、ラジの側近であるサカキだ。
案内に着いて歩くが、白雪は緊張した面持ちで歩く。
Aもラジとは初対面で、しかもラジの招待ではなくオンディーヌ家の招待で来ているため、変な緊張をしていた。
「遠いところよく来てくれた。再び会えて嬉しく思う。――― 白雪どの」
「ありがとうございます。お招き頂きまして、光栄です。王子」
にこ、と笑うラジ王子に、白雪も笑みを返す。
Aもにこりと笑い返したが、話に聞いて想像していた王子像とはかけ離れていて不思議に思う。
だが、それは白雪も同じだったようで。
(なんか違う……)
「やはり、こんな所では話をするにも落ち着かんな。別の部屋で茶でも飲むとしようか」
ラジの命で、サカキの案内に沿って別室へと移動する。
白雪とAはラジと向かい合わせで座り、オビは二人の後ろへと控える。
良い香りのする紅茶を出され、「下がって良い」というラジの言葉で、部屋の中にはサカキ意外の従者はいなくなった。
カチャリと紅茶を手に取ったラジは少し下に俯き、ぼそりと白雪を呼ぶ。
「白雪どの……」
「はい」
「何故来た…」
まさかの発言に、白雪もAも目を見開いて驚く。
「あなたがお呼びになられたのですよ、ラジ王子」
「わ、わ、わ、わかっている！！だがゼ…いや…」
顔色を悪くしたラジは、カシャンと音を立てて紅茶を置いた。
「…ラジ王子…先程までと様子が…」
「他の者たちの前で君に会うのに、あれ以上どうろと言うのだ…」
何故来た、とは…と問う白雪に、ラジは世話になったという気になったと答えた。
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Lily(プロフ) - 48、49話は前編のほうになります！続編は50話から始まります！ (2018年6月10日 0時) (
レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - campanaさん» campana様 ありがとうございます！話数でしたが確認したところ、48、49話を非公開にしたままでした…(-_-;)ご指摘いただき、ありがとうございます！公開設定に変更しましたので、お読み頂けたら幸いです。コメントありがとうございました！ (2018年6月10日 0時) (レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
campana(プロフ) - 続編おめでとうございます！あの前編では47話で続編に入っているのですが、48・49話が無いので気になっているのですが… (2018年6月9日 4時) (レス) id: 04f37541ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2018年5月21日 2時
